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好文木(校長ブログ)
2021.10.14
世事雑感

 先日学校帰り、卒業生の写真展を見てきました。彼女は小学校の頃から写真に興味を持ち撮り続けています。在学中の2018年に案内をもらって初めて見に行きましたので、今回が二回目です。家族で旅行した東南アジアや大阪の街角の風景を撮っています。日頃、気にも留めずに通り過ぎる場所が写真になって改めて眺めると、様々な物語を紡ぐことが出来ます。
 私は以前から、校外で活動している生徒からも案内をもらえば喜んで出かけています。演劇、ダンス、8月にはコロナ対策のため、ファッションショーをライブで観ました。完成度が高いものが多く、勝ち負けではなく、楽しんでやっているところが良いです。
 さて、岸田新総理の掲げる「新しい資本主義」は、市場至上主義の新自由主義からの脱却を目指すもので、「成長と分配」を謳っています。「分配」においては、金融所得課税の強化が打ち出されました。給与所得には累進課税が適用されますが、金融所得はどれだけ多くても一律20%の課税です。金融所得が多い人が優遇されているのが現状です。しかしながら、岸田総理は先日出演されたテレビ番組で「先ずは成長が大事で、他にもやることがあり、優先順位を付けねばならず、当面はこれに触ることはない」とトーンダウンの様相、株式市場への影響を考慮したものと考えられています。
 フランスの経済学者で『21世紀の資本』の著者、トマ・ピケティは、「r>g」即ち、保有資産から上がる資本収益率が経済成長率より大きいことが経済格差拡大の一因であるとして、分配の必要性を唱えています。資本主義の中心が産業から金融に移行し、そして情報に向かう中、すそ野の広い成長により分配を増やすことはかなり難しくなっていると思います。私は令和版の所得倍増計画には懐疑的です。むしろ金融と情報の融合による成長分野では一部の企業やオーナーの利益総取り状態が強まり、ますます二極化と格差拡大が進むように思います。成長と分配の好循環を生じさせる「新しい資本主義」に期待したいところですが、財源確保も含めて、綱引きが激しくなり難しい舵取りが続きそうです。

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