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好文木(校長ブログ)
2021.04.17
1年生との会話から

 先週は、入学式、始業式、健康診断、オリエンテーションと続き、土曜日から通常授業が始まりました。今年から制服にネクタイとパンツスタイルを採用しました。朝、玄関で生徒を迎えていますが、30人ぐらいはパンツスタイルの生徒がおり、なかなかカッコよく着こなしており、新鮮な感じがします。
 先日、朝、千船駅から学校に向かう途中、新1年生を見かけ声を掛け、少し話しながら一緒に学校まで来ました。本校に来た理由を聞くと、「校長先生が良い人だとの評判を聞いて」というので、「へぇー、誰が言ってたの?」と訊ねますと、「中学の先生です。好文は先生がみな良いと言われました」とのこと。有難いなと思っていると、「先生の仕事って大変ですよね。中学の先生からは教師にだけは絶対なるなって言われました」と。
 確かに教師の仕事は大変です。コロナ禍にあって、一般企業ではリモートワークが推奨されていますが、教師はそういうわけにはいきません。授業だけやればよいというものではなく生徒指導から部活動まで定時で帰れる仕事ではありません。そこにコロナ禍でICT化が加速され、仕事は増える一方です。よほど好きでなければ続けられない仕事だと思います。彼女の中学の先生の気持ちもわかります。
 『人新世の「資本論」』の著者、斎藤幸平氏は、人類のあくなき経済活動が地球環境を破壊してきており、経済成長を止めない限り、自然環境の回復力は失われると主張しています。そして、再生可能エネルギーや電気自動車を普及させるための財政出動や公共投資で経済を活性化させるグリーン・ニューディールは、経済成長ではなく、経済のスケールダウンとスローダウンを目指すべきだといいます。そして脱経済成長の柱の一つに、看護師や教師などAIでは出来ないエッセンシャルワーカーの仕事にもっと価値を置くべきだとも主張しています。そして、労働時間の短縮も挙げています。
 マルクスは『資本論』の中で、「価値」と「使用価値」について述べています。斎藤さんの説明を借りると、薬が病気を治すことが「使用価値」であり、商品としての薬に付く値段が「価値」ということになります。斎藤さんは、マーケティングや広告、金融や保険、コンサルティングなどを、高給を取っていて重要そうに見えるが、社会の再生産そのものにはほとんど役立たず、使用価値をほとんど生み出さない仕事だと断じています。高度情報化社会において、この評価には全面的には同意しかねますが、エッセンシャルワーカーである教師への敬意はもっとあっても良いと思います。そして、もっと余裕をもって仕事ができるように、労働時間の短縮は、達成せねばならない課題です。教師に憧れる生徒に「教師はいいぞ、頑張ってなれよ」と言えるように。

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