今日は戦争と平和について少しお話をしたいと思います。
ロシアによるウクライナ侵攻で戦争が長引いている中、新たにイスラエルとパレスチナの紛争が激化して、マスコミはその惨状を伝えていることは皆さんも知っての通りです。私はこのように紛争や戦争が起こるたびに思い出す人とその人の言葉があります。
私は大学卒業後、伊藤忠商事という総合商社に入社しました。そこに瀬島龍三という方がおられました。瀬島さんは当時相談役だったと思います。太平洋戦争時、陸軍参謀として作戦をたてていた人で、日本が戦争に負けた後、11年間ソ連のシベリアに抑留されていました。縁あって伊藤忠に入られたのですが、中曽根内閣のブレーンも務める当時大変有名な方でした。
ある時、社内で瀬島さんの講演会があり私も聴きに行きました。元陸軍の参謀ということで瘦身ではありましたが、なかなかの強面の方だったので、どんな声でどんな話をされるのか興味津々でした。瀬島さんが話を始められたときは意外に小さな声でした。かなり高齢になっておられたのでそのせいかと思っておりましたが、お話が進むにつれて熱が入り声も大きくなってきました。1時間ほどの講演だったと思いますが、ずっと覚えていることが一つだけあります。「日本は資源のない国です。人こそが大切な資源です。日本という国は世界が平和でなければ存続できません」このような趣旨のお話をされたことが強く印象に残りました。そしてテロや戦争が起こるたびに瀬島さんのこの話を思い出します。
私やみなさんもそれぞれ悩みや苦しみがあると思いますが、こうやって私の話を聴いていてもミサイルが飛んでくるわけでもなく爆弾が落とされるわけでもない平和な中にいると思うと幸せだなと思います。この平和を維持するためには経済交流や外交が大事だと思います。みなさんもクラスで友人とのいさかいを起こすことがありますが、国と国も同様でコミュニケーションが大事だと思います。冬休み中に、本を読んだり新聞を見たりしながら戦争と平和につき考える時間を少しでも持ってみてはいかがでしょうか。
インフルエンザが猛威を振るっているようです。健康に留意しゆっくりと静養をしてまた新年、元気な顔を見せてください。