好文木(校長ブログ)
2025.06.26
校則の変遷とこれから(2007年~2025年)

 先日、生徒から校則の変遷について質問があったので、ここに改めてまとめてみたいと思います。
 私が校長になった2007年当時は、ローファーや上靴を踏んでいる生徒や制服をだらしなく着ている生徒が多くいました。化粧やピアスをしてくる生徒も多かったため、厳しく指導をしました。但し、怒鳴るなどの威圧的な態度で生徒に接することは厳禁し、「なぜそうしないといけないのか」をきちんと生徒に話して聞かせ理解させる指導をお願いしました。その結果、ほぼ1年で生徒の身嗜みは大きく改善しました。遅刻者も多く「雨負け」といわれ、「雨にも負けず、風にも負けず」と言う宮沢賢治の詩を書かせる指導を行っていましたが、これも意味がないとして廃止しました。。
 保護者から「なぜお団子頭がダメなんですか?」という問い合わせがあり、小さく丸めたお団子頭は問題ないので許可することにしました。長袖のブラウスのボタンは留めること、ブラウスの第一ボタンはきちんと締めてリボンをきちんとすることが校則でした。しかし、世の中の常識に照らし合わせ、長袖のブラウスの袖はきちんと折りたたむならば良い、ブラウスの第一ボタンも見苦しくない程度に外しても良い、また夏場はリボンをしなくても良いことに変更しました。但し、TPOに応じて入学式や卒業式などには多少苦しくともきちんとしようと話しています。
 2022年秋から2023年冬にかけて生徒主催の「新時代ファーラム」を3回開催し校則について生徒の意見を聴きました。その結果、化粧やピアスなどは学校に適さないとの意見が勝り、禁止のままとなりました。スカートの丈については「もう少し短くてもいいのでは」と言う意見が多く、以前から私もそう思っていたので、従来の「膝頭の範囲内とする」というものを「スカートは膝頭を中心として長すぎず短すぎずセンス良く履くこと」と変更しました。但し、スカートを短くするために折るのは形が崩れるので、きちんと裾上げをすることを勧めています。
 以上のように、当初は従来の学校が決めていた校則を守らせることに主眼を置いていましたが、徐々に世の中の常識に合わせた形に変えてきました。そして現在は生徒と教員がともに主体的に考えセンスを磨くことで、状況や現実を無視した原理原則に固執した教条的な校則指導はなくす方向に向かっています。
 いつまでもどうでもよい校則に拘るのではなく、学力が向上し教養が身に着けばおのずと常識的な判断ができるものだと思います。従って、これからの本校はさらなる学力向上と教養を磨くことに力を注ぎたいと考えています。

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