好文木(校長ブログ)
2025.07.02
期末考査後の授業について

 1898年の統計開始以来、月平均気温が最も高くなった6月が終わり、7月に入り猛暑日が続いています。昨日から金曜日まで期末考査が行われています。今年から完全週5日制に移行し考査日程も早めたので、考査後も授業日を取りました。
 テスト後の授業は身が入らないのではと言う意見もありましたが、テスト後だからこそ進度を気にせず自由な授業ができます。本来テストありきの授業と言う考え方はもう変えないといけないと思います。
 数年前に『銀の匙』の授業が話題になりました。灘校で50年間国語の教師をした橋本武さんが、中学3年間を通して、中勘助の『銀の匙』を読み込む授業を展開しました。その中に出てくる遊びや風習などを実際に生徒と経験するなどいわゆるフィールドワークも取り入れた授業です。現在の学校では指導要領に従って教えることがたくさんあり教科書をこなすのが精いっぱいなので、余裕のあった時代の話と言えばそうかもしれません。しかし、本来学ぶとはこうあるべきだと考えさせられました。
 橋本先生のようにはいきませんが、期末考査後のわずかな期間でも特色ある授業は十分可能です。一学期に行った範囲の中で説明が十分できなかったところをゆっくり復讐することもできますし、教科書に書かれた内容にとどまらず、現実に世界で起こっている事柄に言及する授業も可能でしょう。私が社会科の教員だったならいっぱい教えたいこと、興味を持たせたいことがあります。これだけ変化が激しく混沌としている世界ですから、生きた社会の授業をして不確実性の世の中を生きる知恵を身につける機会を作ることが大事だと思います。材料は新聞を開けばいくらでも出てきます。数学や理科も「これが将来何の役に立つのかな?」と思っている生徒も多いと思いますが、「将来こういう職業でこのように役立つよ」と言えることがあると思います。
 工夫をすればいくらでも面白い授業ができます。是非この機会を利用して生徒たちの興味関心をさらに引き出す授業を実施することを期待します。それこそが生徒のやる気に火をつけて学力を向上させることに繋がります。学力が向上すれば生徒の選択の自由も広がるのです。

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