好文木(校長ブログ)
2018.12.21
平成30年度2学期終業式にあたり~終業式講話~

 みなさん、おはようございます。今回も体育館新築工事のため放送での終業式となります。みなさんの顔を見ることができず話をするのはちょっと残念なのですが、スピーカーを通して今年を振り返ってみたいと思います。
 まず最初に、16日(日)に今年最後のオープンスクールが終わりました。6月30日の第1回から計8回、沢山の生徒の皆さんが協力をしてくれました。暑い中、寒い中、中学生と保護者を笑顔で迎え学校の説明等一生懸命にやってくれたことを大変うれしく思いますとともに、心から感謝しています。本当にご苦労様でした。有難う。
 さて、今年は6月の大阪北部地震に始まり、猛暑、豪雨に台風と度重なる自然災害に見舞われた一年でした。平成7年の阪神淡路大震災を震度7の上で体験しましたが、改めて「天災は忘れたころにやってくる」ということを実感しました。
 また、世界の政治経済はアメリカと中国の二大国の貿易戦争の行方が注目されています。フランスでは燃料費値上げをめぐり連日のデモが続いています。日本は比較的安定していますが、少子高齢化が進む中で、教育や働きかたの改革が進んでいます。「暗記」ではなく「思考力」が問われ、「長時間働くことに意義がある」のではなく「効率的で成果を上げる」働きかたへの移行が求められています。早速3年生は卒業後、進学先や企業においてこの基準によって評価されることになります。
 長い間、日本は貧富の格差が小さく平等な社会、一億総中流社会と言われてきました。しかし、格差は拡大傾向にあります。今から約150年前、慶應義塾の創立者、福沢諭吉は明治初年のベストセラー「学問のすすめ」のなかで、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといえり」と述べ、「にもかかわらず世の中には賢愚、貧富の差があるのはなぜか、それは学ぶと学ばざるとの差なり」と勉学の必要性を説いています。
 AI(人工知能)の進歩、人生100年時代は豊かで希望に満ちたものとは限りません。不確実性の時代を生きるなかで「学び」は最大の防御となります。
 学びの第一歩は読書です。読書とは著者との対話だと思います。挫折しそうになった時の相談役にもなってくれますし、考えを整理整頓する手助けにもなります。私自身、何度も本に助けられてきました。そして得た知識を実行してみることで一歩踏み出すことができます。
 明日から約2週間の冬休みとなります。みなさんがそれぞれ楽しく有意義な冬休みを送れることを祈ります。

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