好文木(校長ブログ)
2019.01.08
平成30年度3学期始業式講話

 あけましておめでとうございます。平成最後の年が幕を開けました。皆さんは冬休みをどのように過ごしたでしょうか。2学期終業式に読書の効用につきお話をいたしましたが、一冊でも何か本を読んでみたでしょうか。
私は少々風邪気味だったこともあり、外出を控え読書三昧の休暇を過ごしました。小説を読みながら、登場人物の心情に共感を覚えたり、人の生き方を考えさせられたり、有意義な時を過ごすことができました。人とのコミュニケーションが大切である仕事に就いている私にとって読書はまさに趣味と実益を兼ね備えたものと思っています。
 1989年(平成元年)11月東西ドイツを隔てていたベルリンの壁が崩壊し、ここからグローバル化が進展することとなりました。グローバル化とはソ連との冷戦に勝利し唯一の超大国となったアメリカの基準に合わせることを意味しました。時を同じくして日本ではバブルが崩壊し、大銀行や証券会社、ゼネコンなどの倒産が相次ぎ、失われた国の富は太平洋戦争時を上回ると言われました。従来型のやり方では通用しない、アメリカに見習うべきとの論調が力を増し、日本もグローバル化に大きく舵を切ることとなったのです。経済面で規制緩和を中心として様々な改革が進められてきました。そして今、教育改革が始まりました。大学では入試制度の改革と授業改善が進められ、小学校では英語が正課となりプログラミングの授業も始まります。当然、高校の授業内容や授業方法も変わっていきます。
 アメリカは自由闊達でパイオニア精神に溢れた長所を持っていますが、その反面、実力主義で格差の大きな社会でもあります。ある意味弱肉強食の世界であります。社会システムがアメリカ型に変革されれば、才能があり人一倍努力する人はチャンスを掴み益々豊かになれますが、大変厳しい状況に陥る人も増えてくると予想されます。
 既に日本でも自らのTwitterのツイートにリツーイトした中から100名に100万円ずつ総額1億円を個人としてプレゼントすると発表したZOZOの前澤社長のような成功者も出てきた一方で、なかなか正規雇用の職に就けず自立がままならないという人も増え、二極化、アメリカ化が進んでいます。皆が皆、前澤社長にはなれませんが、精神的にも経済的にも自立することは努力次第で十分可能です。常に社会の動きに関心を持ち、将来を見据えてしっかりと学ぶことが肝要だと思います。
 さて、3年生はあと50日ほどで卒業式を迎えます。最後まで気を抜かずに有終の美を飾ってください。2年生は4月からいよいよ最終学年です。進路意識を高め早め早めの準備が必要です。1年生には後輩が入学してきます。3年間のうちで最も落ち着いて勉強にクラブ活動に従事できる一年となります。中だるみすることなく力を蓄えてください。みなさんがそれぞれ有意義な一年を送ることができますことを心から願っています。

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