好文木(校長ブログ)
2024.07.23
大阪私学美術展に向けて
期末試験が終わり明日の終業式までの間、部活動の生徒たちが登校してきています。美術部は今夏の第73回大阪私学美術展出品作制作の追い込みに入っています。
A3(エーキューブ)の美術棟1階の工房、2階のデザインラボ、3階のアートラボでは毎日生徒たちの格闘が続いています。
私はここ数日、A3を毎日訪れています。部屋のドアを開けて絵の具の匂いを嗅ぐと部屋いっぱいの個性が私めがけて押し寄せてくるようです。油絵あり、イラストあり、造形ありで、表現したい内容やタイトルを訊きながら作品を観て回るのはとても楽しいものです。「もう少し、足の下の川の水の透明度を上げてみたら」という顧問の先生のアドバイスに「なるほど」と思い、翌日見に行くと見事にアドバイスを実現しているのを見ると、「さすがだなあ」と感心します。人物の表情、髪の毛、ブラウスやカーテン、カーペットのひだ、そして光など実に見事に描いて言います。デッサンがしっかりできている証です。本校の
スローガンである「個性創造」を体現するエリアです。
何時間も何日もかけてじっくりと一つの作品に取り組む作業は、スピードを重視するデジタル社会において極めて思索的です。生徒は様々な思いを抱きながらキャンバスに向かっています。自画像、家族、生物、想像上の世界などに思いを載せて。話を聴いて回ると、そこにあるのは強い主張、喜び、悲しみといったものではなく、漠然とした思いやふわふわとした感覚で、無理に重く意味づけをしないその穏やかさが気持ちよく感じます。
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