
日銀が政策金利引き上げを決定し、31年ぶりの高水準となるとのことですが、その金利水準は1%です。31年間低金利が続いてきました。現在、都市銀行のスーパー定期1年物の金利は0.4%です。バブル時代を経験した者からすると、驚くべき低金利です。
1980年代は定期預金金利が7%、現在のみずほ銀行に統合される前の日本興業銀行が発行した割引債券「ワリコー」は利回り9%で、発売日には行列ができました。もし、当時1億円預金があれば、金利だけで700万円、税金を引いても560万円が手元に入りました。現在はこれが32万円ですから、いかに貨幣価値が下がっているかがわかります。
一方、円ドル相場は1985年、1ドル230円台でしたが1987年には1ドル120円台へと円高が進みました。これは1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテルで行われた日・米・英・西独・仏5か国の財務大臣、中央銀行総裁会議において、ドル高是正の国際協調介入が決まった結果でした。ドル高により財政と貿易の双子の赤字に苦しむ米国の強い意向が働いたものでした。各国がドルを売り円やマルクを買いました。これにより、日本では国内投資が盛んとなり資産価格も上昇、いわゆるバブル景気に沸きました。しかし、歴史の教訓通りバブルは崩壊、日本は30年に及ぶデフレ時代に入りました。ようやくデフレから脱却しました。今回の政策金利1%乗せが金利のない世界から再び金利のある世界に戻る一歩となるのでしょうか。
日経新聞は、都内でまたぞろ地上げが横行しだしたと報じています。一方で、大都市圏での大型再開発案件が延期になるケースも報告されています。人手不足と資材価格の高騰が原因です。東京や大阪ではもう十分都市開発が進んだように思え、次から次へと大型ビルや高層マンションが必要なのかと思いますが、経済発展が前提となる資本主義の宿命なのでしょうか。人口減少、空き家増加、老齢化進行の日本において、バブル期のような経済発展は望むべくもないと思います。そう考えると、岸田政権が掲げた成長と分配の好循環を目指した「新しい資本主義」という考え方は、新自由主義から格差是正、環境重視への転換を図る政策として理にかなったものだったと思いますが、成果を見る前に退陣しました。
円安が止まらず、物価高も進行、されど一般庶民の懐は潤わないという現況下で、食品の消費税を8%から1%へ2年間下げる方針。一方でインフレ抑制のため低金利からの脱却を図るため金利を上げると、人手不足、資材高騰による中小零細企業、住宅ローンを抱える世代へは負担増となる。消費税減を社会保障費で補うと社会保障費が不足する等々こちらを立てればあちらが立たず、難しい舵取りが要求される局面です。







