12日から学年、クラス別に午前と午後に分けて分散登校を実施しています。3年生、2年生では、久しぶりに会えるクラスメートや先生との会話を楽しむ姿があちこちで見られます。私も何人かの生徒と久しぶりに会話をしました。1年生はまだおとなしく、すれ違いざまの挨拶もぎこちなく不慣れな様子です。本来であれば、オリエンテーション、健康診断、部活紹介、一泊研修などを終え、連休明けから授業も軌道に乗り、クラスにも慣れてくる頃なのですが、入学式以来2度目なのですから無理もありません。例年ですと、そろそろ何人か、校長室を覗きにくる生徒もいて、1年生とも親しくなれる時期なのですが、今年はもう少し先になりそうです。
本日の緊急事態宣言解除を見越し、昨晩遅く、学校再開のスケジュールについての第一報が大阪府私学課から届きました。少しでも早く指針を提示して学校が準備できるようにとの吉村知事の配慮が見て取れます。25日から最終学年の登校日の授業が可能となります。6月1日から全学年、分散・短縮授業とし、15日からは1クラス40人の通常授業が可能となります。順次段階を踏んで通常授業へもってゆくやり方で、極めて妥当なものだと思います。国からは追って「学校の新しい生活様式」が提示される予定とのことです。
本校では、昨日の時点で、新聞等の情報から予測をし、明日午後から職員会議を開き教職員に週明け25日からの動きを伝えるべく、教務部にて具体的な時間割の確定を進めていました。いよいよ、学校が再開できます。
大阪に先立ち39の自治体の緊急事態宣言解除に伴い、営業を再開する店が多くなり、テレビや新聞は、コロナ前との対比で人出の減少幅が小さくなってきている、即ち人出が増えてきている状況に、「緩み」は禁物だと警鐘を鳴らしています。しかし、自粛を解除しても人出が増えなければ、営業を再開する意味がなくなります。ある程度人出が増え、街に活気が戻らなければ、経済の回復は望めません。
感染拡大防止策として、既に打ち出されている「新しい生活様式」の要点は、社会的距離(Social Distancing)を十分にとることです。従って、同じ空間に居る人数を減らさなければなりません。通勤時の混雑を避け、オフィスでの密集を回避するために、リモートワークに移行する企業が増えました。その結果、無駄を省き効率的に仕事ができ、働き方改革に資するというメリットも報告されています。しかし、リモートワークに適さない職種、部署もあり、出社制限をいつまでも続けるわけにはいきません。
また、飲食店では、社会的距離を保とうとすると、客席数を減らさねばならず、家賃や人件費などの経費を賄いきれず、やむなく閉店というところもあります。旅館やバス会社、航空会社などインバウンド需要が激減している旅行・観光業界は展望が開けず厳しい状況下にあります。
現行のままの「新しい生活様式」を順守するとなると、実質的に営業はできないという業種も多いことと思います。コロナ終息まで長丁場を想定するなら、「命か経済か」の二者択一ではなく、人間の生活という実態と調和できるそれぞれの業種ごとの新しい生活様式を策定し移行しなければ、行き詰まる企業や個人が増加し、コロナ自体での被害を超えるような事態にもなりかねないのではないかと懸念されます。