好文木(校長ブログ)
2025.07.31
進化するAI

 先日の終業式でAIの話をしましたが、今朝の日経新聞でもAIに関する記事が載っていました。「米アンソロピックの最新型AIは人間の1度の指示で黙々と7時間集中してプログラミングをこなし、知性を持った疲れ知らずのAIが人間の雇用を奪う懸念も強まっている」と報じています。記事の内容を少し詳しく紹介します。
 AIは受動的から能動的に進化しています。大量のデーターを学習しスピーディに回答を出す即答型生成AIが2022年から開発されてきましたが、2024年からは論理的に考える熟考型の生成AIに移行し、2025年からはさらに進み自律して考えるAIエージェントの開発が行われています。これはAIが大事な情報を覚えておく能力と作業中に計画を磨き上げる能力を高めたものだそうです。AIはまさに人間の能力の発展段階を歩んでいることがわかります。
 全集中のAIエージェントができる仕事内容として、プログラミングでは人間なら1週間かかるコード生成を7時間で完了、創薬では化合物の組み合わせを選び分析を繰り返して絞り込む作業、法務では規制や取引先との関係の変化に合わせて契約書の文言を改訂すること等が例示されています。知識労働のかなりの部分までAIが代替できることになります。
 OpenAIのアルトマンCEOの「AIは今は数時間働くインターンだが、いずれ数日働けるエンジニアになる」、AnthropicアモデイCEOの「1~5年で入門レベルのホワイトカラー職の半分が消滅する」、AmazonのジャシーCEOの「AIエージェントの活用で従業員数は減る」というそれぞれの見解も紹介されています。
 私が東京で総合商社に勤務していた頃はバブル景気の全盛期で、栄養ドリンクのCMソング『勇気のしるし』が流行しました。「黄色と黒は勇気のしるし24時間戦えますか」「アタッシュケースに勇気のしるし、はるか世界で戦えますか、ビジネスマン、ビジネスマン、ジャパニーズビジネスマン」という歌詞はまさに商社マンの応援歌のように聞こえたものです。今後はAIが24時間以上戦える力を持つようになり、生身のビジネスパーソンでは到底太刀打ちできなくなります。
 この記事の隣に「ウォシュレット米で修理網強化」という記事が載っており、TOTOが米国など世界各国のウォシュレット修理技能者による競技大会を開いたと報じています。こちらは人力によるアフターケアの充実を目指しています。これはAIではできない仕事でしょう。
 同じ紙面に並列されたこの二つの記事は今後の人にしかできない仕事とAIが代替する仕事の違いを表しており大変興味深く感じました。

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