好文木(校長ブログ)
2020.12.16
スピーチについて

 寒波襲来で一気に真冬並みの気候となりました。これから2月一杯までが、一年で最も寒い時期、昨年の暖冬とは打って変わった厳しい冬となりそうです。
 農家出身で苦労人と報じられ、就任当初、高支持率を誇った菅総理、最近の支持率低下の一因に、記者会見での原稿棒読みが挙げられています。確かに、テレビニュースでの菅総理は目を下に落とし淡々と原稿を読む姿が多く見受けられます。 
 私も入学式、卒業式、始業式、終業式そして学校説明会やオープンスクールで生徒や保護者など多くの人に話をする機会があります。式での挨拶、聞く方は10分が限界かなと思います。そこで、要点をまとめた原稿を作成します。ずっと原稿に目を落とすのではなく、極力、生徒や保護者を見回すようにしながら、間も考えて話すようにしています。すると2~3分超過してしまいますが、このぐらいは我慢の許容範囲かなと勝手に思っています。
 以前、塾向けの説明会で、私の挨拶の持ち時間が10分だったことがありました。塾の先生たちには、本校の教育方針や実績などお伝えしたいことが山ほどありましたので、いつものようにエピソードを交えて話をしていてはとても10分では終わらないと思い、要点のみ纏めて原稿を作りました。時間を気にしながら、原稿に目を落とし話し始めたのですが、見事に棒読みになってしまいました。終わった後で、ある塾の先生から、「今日は先生のいつもの飾り気のない語りの良さがなかったですね。時間を気にせず、生徒のエピソードも交えていつものようにやってほしかった。それが好文の魅力だから」と言われました。
 入学式や卒業式で、校長の式辞をじっくり聞きたいと思う生徒は、残念ながらあまり多くないと思います。しかし、学校の教育方針や現状をしっかり聴きたいと思う塾の先生は多いと思います。相手が何を求めているかをよく理解したうえで、スピーチの内容やスタイルを変えなければなりません。総理の話を聴きたいと多くの記者が集まっているのですから、やはりそれに適したスピーチのスタイルが必要だと思います。原稿の棒読みは聞き手との間に壁を作ってしまい、コミュニケーションを阻害することになると思います。

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