19日(土)の入試説明会をもって、今年のオープンスクールは全て予定通り実施終了することができ、ホッとしています。しかし、コロナは寒い冬に入り拡大の一途を辿り、全く衰える兆しがありません。2月10日の入試に向けて緊張が続きます。
米ジョンズ・ホプキンス大学によれば、20日現在の世界の新型コロナ感染者数は7600万人を超え、死者は61万人を超えています。このうちアメリカが世界最大の感染者数1760万人超、死者19万8千人超を数えています。
英国では変異種による感染が拡大しており、欧米各地でロックダウンが繰り返されていますが、効果が見られません。日本では感染者数約20万人、死者は2900人超と欧米に比べると格段に少ないものの、増加傾向に変わりはありません。
今朝(12月21日)の日経新聞は、「「富める者」襲う恐怖」と題し、新型コロナウイルスの危機は低成長や富の偏在といった矛盾を広げ、世界に埋めがたい深い断層を刻んだと述べています。保有資産10億ドル(約1000億円)以上の2千人余りの超富裕層はこの1年で資産を200兆円増やした一方で、食べ物にも事欠く人がコロナ前から6億9千万人おり、コロナでさらに1億3千万人増える恐れがあるといいます。「このままではいずれしっぺ返しに遭う」と怖れる資産家らが、自らに増税をするよう公言するに至っていると記事は伝えています。
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏は、数年前に話題になった著書『21世紀の資本』の中で、 「r(資本収益率)>g(経済成長率)」即ち、資産の運用益が賃金の伸び率を上回る状況が格差拡大の原因であり、富裕層への資本課税による富の分配が必要だと主張しています。
20世紀の資本主義は、生産業を中心に反映し、労働者の生活が向上し多くの中間層を生み出しました。この中間層が活力の源となりさらに発展を遂げてきたのですが、21世紀に向けて、IT化が進み、価値を生むものがモノから情報や知識に変りました。そしてその総本山ともいえるGAFAなど巨大情報技術企業に富が集中するようになりました。この1年、実物経済が低迷する一方で、NYダウは史上最高値を更新しついに3万ドルを越えました。ピケティ氏の説を裏付ける状況がコロナ禍によりさらに加速されています。
同じ日経が、米経済誌フォーブスが今年のユーチューバーのランキングを発表し、9歳児が年収30億円で1位になったと報じています。おもちゃのレビュー動画を投稿しており、動画再生回数は122億回に登っているそうです。情報化時代を象徴するニュースに「凄い!」と感心しながらも、ちょっと複雑な思いです。