東日本大震災から15年になりました。15年前の今日その時、私は校長室でミーティング中でした。波に揺られる船の中にいるような揺れを感じました。直後には原発からの放射能漏れが関東地方にも及び東京も危険だという話がまことしやかに流布されていました。また、為替は円高に振れました。海外から資金を引き揚げ円転するから円が買われるという説明でした。大災害や戦争などは一義的には人的・物理的被害を生じせしめ、二次的には経済全体に対する影響へと広がりを見せます。
かつて総合商社に勤めていた時、社内で定期的に財務部主催の為替研究会が開催され課からは私が聞きに行きその内容を課長に報告していました。商社では輸出入業務が主となりますので為替相場の見通しが極めて重要です。私の所属していた課は紙製品の輸入をしていました。仕入れは米ドルや英ポンドですから円を売ってドルやポンドを買って決済します。先々円安が見込まれるなら先物予約を入れて円貨をフィックスし、逆に先々円高予想であれば、先物予約をしないという対応を取ります。当時為替は、米FRB議長の発言やソ連(現ロシア)の書記長の健康不安説などによって動いていました。
今回のイスラエルとアメリカによるイラン攻撃では、ホルムズ海峡が実質的に封鎖状態となり、石油需給がひっ迫し、日本経済に悪影響が及ぶとの憶測から円が売られ円安になりました。為替や株の動きは実需のみならず、その売り買いで儲ける投機筋の思惑も働きます。
マルクスは「下部構造(経済)が上部構造(政治・法律・思想)を決定する」という理論を展開し、経済という社会の土台が法体系や政治体制、政治思想を決定する、物質が精神を決めると考えました。現在でも、日々の経済状況によって市場が動き、政治に影響を与えます。共和党が議会の多数を占めるアメリカでは、トランプ大統領の暴走を止められるのは市場だけとも言われています。資本主義・自由主義社会での市場の力は侮れません。







