好文木(校長ブログ)
2025.07.15
学習指導要領見直し

 文部科学省は2030年以降に施行される予定の次期学習指導要領において、観点別評価における「主体的に学習に取り組む態度」について、成績に反映させず個人評価にとどめる方針転換を発表しました。
 観点別評価は①「知識・技能」②「思考・判断・表現」③「主体的に学習に取り組む態度」の3つから成り立っています。①と②についてはテストにおいて基礎問題と応用問題あるいは発展問題を区別して測ることもある程度は可能ですが、③は何で測ればいいのかが当初から問題になっていました。苦渋の判断で、授業中の発言の頻度やノートなどの提出物の出来具合で測らざるを得ませんでした。しかし、ノートや提出物は教員から指示されるものです。また授業中に積極的に発言したからといって必ずしも主体的に学ぶ態度があるとは言えないでしょう。例えば、数学が好きで数学オリンピックにチャレンジしているなら主体的と言えます。しかしこれもまた学校が推奨してやらせるとなると主体的ではなくなります。
 主体性とは自らの意思・判断によって行動しようとする態度や性質です。主体性を数値化すること自体無理があります。暗記教育だけではダメだということで、思考力や判断力、表現力を養おうということになり、その先に主体的に学ぶ姿勢を育てようとしたのはわかりますが、それを現行の成績評価に落とし込もうとしたところに無理がありました。かなり現場から苦情が出ていたのではないでしょうか。しかしそれにしても30年の次期指導要領改訂時からというのはスピード感がありません。

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