好文木(校長ブログ)
2019.04.06
平成31年度一学期始業式校長講話

 みなさん、おはようございます。284名の新入生を迎えて新たな年度が始まりました。
 上級生は一年生が早く一人前の好文生になれるようサポートよろしくお願いします。
 さて、平成31年は今月30日で終わり、5月1日からは令和元年となります。
 明治時代には日清・日露の戦争、大正時代には第一次世界大戦におけるシベリア出兵、昭和時代には日中戦争から太平洋戦争と数々の戦争を経験しましたが、平成時代には日本が戦争に巻き込まれることがない平和な時代でした。
 また、平成はIT化とグローバル化が進んだ時代でもありました。令和にはさらなるIT化が進展し、人工知能AIは人間の知能を超えることになるのでしょうか。そして、AIと人間との共存が課題となりそうです。
 先日『ホモ・デウス』という本を読みました。イスラエル人の歴史学者がテクノロジーとサピエンス、すなわち人類の未来を予想した本です。かつて人類は飢餓や疫病そして戦争を克服し、経済成長を通じて幸福を実現してきたのですが、いよいよ生命工学やテクノロジーの進化を通じて不死を実現し神の領域に入ろうとしているのではないかというのです。
 計算し、問題を解決し決定に至るまでの一連の秩序だったステップ、すなわち論理的思考の過程をアルゴリズムといい、人間全体がアルゴリズムを持った機械だと考え、このアルゴリズムを精緻に整備するとAIは人間を超えると予測しているのです。そこから感情は排除されます。効率的ですが無味乾燥な感じがします。
 そしてAIを造ったり使ったりできる人と、AIに代替されたり使われたりする人との間に新たな階級ができるのではないかと予想しています。
 面白い話が載っていました。教科を教えるだけではなく、生徒の弱点や強みを見極めて何に興奮し、眠気を催すかを突き止めることができる、そして生徒の性格やタイプに応じて勉強を教えることができ、決して堪忍袋の緒を切ることがなくけっして生徒を怒鳴りつけたりしないデジタル教師の開発をしている企業が既に存在しているそうです。直ぐ感情的になる先生は嫌ですが、感情のない淡々と仕事をこなす先生というのはいかがなものでしょうか。
 これからの10年、20年、テクノロジーはすごいスピードで進化してゆくと思います。
 AIのアルゴリズムに対抗できるのは人間の細やかな感性ではないでしょうか。
 人を思いやる心、気配り、美的感覚など日頃から鍛えておきたいものです。
 新しい年度、健康に留意して勉強に部活動に楽しく有意義な一年となることを願っています。
 

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