昨日、保健体育の教育実習生の研究授業が行われ、大学の担当の先生がお見えになりました。3年生のバレーボールの授業を共に見学した後、校長室でしばし懇談を行いました。
先生から、「最初の準備体操、先生の指示なくてもラジオ体操から始めて腕立て伏せ、背筋等粛々とこなしていましたが、あのクラスが特別なのですか?」と訊かれました。
「いや、他のクラスも同じようなものですよ」とお答えしますと、「それはすごいなあ」と驚かれました。私が「最近は中学生も従順でおとなしくなっており、その子たちが高校に上がってきているので、どこの高校も本校と同じようなものじゃないですか」と申し上げましたところ、「いやいや、そんなことはないですよ。教育実習生の授業見学であちこちの高校に行きますが、教員の指示を無視してしゃべったり、違うことをしたりする生徒が必ずいますよ。好文さんは教育が行き届いているのですね」とお褒めてくださいましたので、大変恐縮いたしました。
そこで、本校の指導方法について次のようにお話をさせて頂きました。
「18年前、私が校長に就任した当初は、始業式、終業式などの集会時に体育館に生徒が集まってくると、生徒指導の教員が壇上から「静かにしなさい。早くしなさい。うるさい、だまれ!」などと声を張り上げておりました。そこで、生徒たちに「式が始まるまではしゃべっていてもいいが、始まると静粛にしよう。オンとオフのけじめをつけよう」と話をしました。何のためにそうするかをきちんと説明するのが好文流で、これが定着したのです」
捕捉しますと、実はこれは好文オリジナルではなく、当時、仙台の常盤木学園で校長をされていた長野雅弘先生にお教えいただいたものです。そして、一回話をしたからと言ってそう上手くいくものではありません。最初は相変わらずいつまでもワイワイガヤガヤやっていました。その時、生徒指導の教員が壇上に出て、何も言わずにただ生徒たちが静かになるのを待ちました。先生が登壇したのに始まらないことに気が付くと次第に話し声が消えてゆき静かになりました。そこで先生が一言「状況判断、ちゃんとしようや」。
当時は今と比べるとやんちゃな子も大勢いましたが、彼女たちは「話せばわかる」、「納得すればちゃんとやる」ことを証明してくれました。以降、「威圧ではなく納得を」これが好文の生徒指導の型になりました。