好文木(校長ブログ)
2026.06.04
スマートシュリンク

 2025年国勢調査・人口速報集計結果によれば、昨年10月1日現在の外国人を含む日本の総人口は1億2,304万9,524人でした。まだ結構多いじゃないかと思ったのですが、5年で309万人余り減少し、太平洋戦争で失われた人口に匹敵すると聞くと驚きます。14歳以下は11.2%で65歳以上の高齢者が29.4%となり総人口ではエチオピアに抜かれ世界12位になりました。2025年出生率は過去最低の1.14、10年連続低下し、日本人の出生数も最小の67.1万人となっています。

 人口減少や社会構造の変化に応じ、地域や組織の機能を最適化し、効率的な再編や集約化によって、生活の質や競争力の維持を図る「スマートシュリンク」(賢い縮小)の実現に取り組む自治体が出てきていると日経新聞は伝えています。

 高市首相は安部元首相譲りの「Japan is Back!」を好んでスピーチで使っています。今の日本は株価こそ史上最高値を更新していますが、実体経済を表しているとは思えず、「Japan as No.1」と言われた1980年代の活気は感じられません。日本の存在感は逆に低下しているのではないでしょうか。

「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」というスローガンからは、混迷する国際政治の中で、日本が世界の平和のために中心になって積極的に活躍するというようなイメージを持ちますが、実際はどうでしょうか。イラン戦争においてイランとアメリカの仲介役を果たしているのはパキスタンです。日本は従来の対米追従外交から大きく踏み出すことなく国益を守ろうとしています。それはそれでよいと思いますが、ならば「世界の真ん中で咲き誇る」とは言わず、より現実的な外交方針を示すほうが良いと思います。

 「あの栄光をもう一度」観満載の言葉は、トランプ大統領の「Make America Great Again!」に重なります。懐古主義者には受けるでしょうが、生産的ではありません。日本には成熟期にふさわしい政策が必要です。少子高齢化、人口減、パクスアメリカーナの終焉と国際環境の変化という現実を直視し、新たな方向性、未来像を示すために、日本全体で積極的にそして着実に「スマートシュリンク」戦略の構築が必要だと思います。

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