私学の良さの一つに、先生の転勤がないので、卒業した後、学校に戻ってきても担任だった先生やお世話になった先生に会うことができるという点を挙げることができます。それにしても本校にはひっきりなしに卒業生が戻ってきます。昨日も今日も。
卒業生の話を聴くのも私の楽しみの一つです。進学したり就職したりすると、急に視野が広がり、今まで見えていなかったことが見えるようになるようで、話に深みが増してきます。
昨日来た4年前の卒業生は、ある外食産業の店舗の副店長になったそうです。22歳の副店長は近畿エリアでは最年少だそうです。
40代の女性が若い子のことを「あれもできないこれもできない」と愚痴をこぼすので、「愚痴をこぼすのではなく、あなたが手本を示してあげたらどうですか」と注意し納得させたそうです。
彼女はキッチンとフロアの両方を任されており、現場を一番よく理解できているので、本部の管理職の信頼も厚く、店長になるよう勧められているそうです。「そりゃいいじゃない。店長になって、君の思うようにお店を改革してみたら」と、言ってみたのですが、彼女曰く、No.1ではなくNo.2でいるほうがやりたいことができていいと言っていました。
なかなか、深い意見です。彼女は組織の何たるかを理解しています。
PDCA やホウレンソウ(報告・連絡・相談)の大切さを在学中に教えています。在学中は全く頼りなかった生徒たちが社会に出るとこのように変わるのに、「教えている先生たちはPDCAやホウレンソウができているのかな?」と思います。これを出藍の誉れと言ってはちょっとお粗末ですね。
今日来ているのは今年春に卒業したばかりの二人です。「学校にいるときはやめたいと思ったこともあったけど、今はもう一度好文に戻りたい」と、校長室を根城に職員室の先生たちを渡り歩いて話をしています。こちらは大人になるにはまだまだ時間がかかりそうです。
いずれにせよ、沢山の卒業生が学校に戻ってきてくれる、校長室に来てくれることは、大変うれしいことです。これは数値では表せない好文学園の良さではないかと思います。