昨日27日から秋の読書週間が始まりました。戦後間もない1947年に、出版社、公共の図書館、マスコミが主となって「読書の力で平和な文化国家を作ろう」との趣旨で始まり、10月27日は「文字・活字文化の日」になっています。
ベネッセ教育総合研究所と東京大学が共同で調べた結果、2024年に一日の中で読書をしない小中高生が52.7%に上ったそうです。これは10年前の2015年の34.3%から1.5倍に増えています。また、小学校1~3年生で33.6%、小学校4~6年生で47.7%、中学校で52.7%そして高校生では69.8%というふうに学年が上がるにしたがって増えています。これはSNSの利用が増えていることもその一因だと思いますが、部活や受験勉強も関係あるのではないでしょうか。
今でこそ私は毎日鞄に本を入れて出勤していますが、小中高生の時を振り返ってみますと、上記の結果同様に小学校低学年の頃が一番よく本を読んでいたように思います。学年が上がると受験勉強が忙しくなりゆっくりと本を読む機会がめっきり減りました。大学に入ってから時間が出来て本を読みだしました。本来は思春期に良書をたくさん読むのが良いのでしょうが、私はかなり遅咲きの読書家です。主に歴史書や評伝、時事問題や実務書を読んでいましたが、ここ10年は小説にシフトしています。小説の面白さは人の心の微妙な動き、いわゆる機微に触れることができるところです。今では家の書棚が溢れ、あちこちに本がある状態です。たまに帰ってくる息子や娘から「ある程度は処分したら、床が抜けるよ」と言われますが、本に囲まれていると安心できるので処分する気にはなれず溜まる一方です。
上記の調査によると、家庭で親が読書の大切さを伝えたにもかかわらず一日の中で読書をしない子供の割合が44%に対して、大切さを伝えなかった場合は67.9%と言う結果になっており、親の姿勢にも影響されることがわかります。私が小さいころ母が良く本を買って来てくれましたが、「本を読め」とはあまりうるさく言われた記憶はありません。強制されれば嫌になります。馬を水飲み場に連れてゆくことはできても、無理に水を飲ませることはできません。今年の読書週間の標語は「この一行に逢いにきた」だそうです。「会う」じゃなく「逢う」が良いですね。







