日中の気温はまだ高いものの朝夕はめっきり涼しくなってきました。ようやく秋の到来を感じられます。ただ、体調を壊している人が多いです。今日もレストランで生徒から「風邪が流行っているから校長先生も気を付けて」と声をかけられました。日本の気候が四季から二季に変わってきたからじゃないかと思います。冬から春へ徐々に暖かくなり、夏から秋へ徐々に涼しくなり、体を慣らして来るべき季節に順応できたのですが、これが出来なくなりました。暑くなく寒くない、温かく涼しい季節があってこそ体調管理ができるというものです。
季節同様中間のない〇か×か、白か黒かの白黒思考が人間関係を壊してしまいます。SNSにより自分の好む情報にのみアクセスすることで偏向的な考え方を持つ人が増え、社会に分断と憎悪を蔓延させていることは、大統領選挙に揺れるアメリカの現状を見れば納得がいきます。また身近な様々なSNSの投稿を読むと、一部をとらえて我田引水の論を張る人が極めて多くみられます。「誰もそんなことは言ってないじゃないか。よく読めよ」と言いたくもなりますが、何を言っても、すべて自分の都合の良い方向に引っ張ろうとします。議論が全くかみ合っていません。「人は見たいものしか見ない」(ジュリアス・シーザー)のは古今東西同じということでしょう。その傾向にSNSが拍車をかけています。
そしてSNSの恐ろしいところは、一度失敗したら総攻撃をかけ、立ち直れないほどに打ちのめしてしまうところです。失敗や挫折を経験してもそれを乗り越えて再び日の目を見れる社会でなければ、社会の新陳代謝も活性化も望めません。妬み嫉みと足の引っ張り合いに希望も未来もありません。しかしSNSの匿名性という魔物に心を囚われてしまう人がいかに多いことか。気候変動における巨大ハリケーンや超大型台風に匹敵するSNSの破壊力を止めるのは、傾聴と共感に基づく教育じゃないかと思います。
昼休み秋晴れの下で天然芝のグラウンドでバレーボールやバドミントンに興ずる生徒たちの笑顔に心が癒されます。逞しく育てたいとの思いを新たにいたします。