好文木(校長ブログ)
2020.11.06
衣替え

 11月に入り朝夕は10度を下回る気温となり、季節が秋から一気に冬に進んだようです。
 通勤途上で見渡すと、女性はコートを着ている人が多くなりましたが、スーツ姿の男性でコートを着ている人はまだほとんどいません。やはりコートは12月からと考えている人が多いようです。私も以前は、あまり早くコートを着ると軟弱だと思われることを気にして我慢していたものです。しかし最近では、人目を気にして風邪をひいては元も子もないので、気温に合わせてコートを着るようにしています。
 日本には古来より衣替えの習慣があります。宮中から始まり武家社会を経て一般家庭に広まりました。江戸時代には着物の種類が増え、衣替えは年4回となったそうで、春秋にはいわゆる合服が使われました。四季折々にあった服装を心がけるということは自然と共生してきた日本人の繊細な感性の表れだといえます。
 衣替えは、冬服から夏服へは6月1日を、夏服から冬服へは10月1日を目途とされています。しかし、いきなり冬服から夏服へ、夏服から冬服へ完全に替えられるものではありません。特に昨今は気候変動が激しくなりました。まだまだ暑いのに冬服では暑苦しいですし、まだ肌寒いのに夏服では寒々しいです。そこで、本校でも状況に応じた衣替えの移行期間を設けています。
 「季節を先取りするのはおしゃれ、過ぎた季節を引きずるのは野暮」と言われます。これは季節の変わり目や変化を敏感に察知して、それをファッションに取り入れられることがセンスの良さだとされるからです。御洒落(おしゃれ)の語源を辿ると、機転が利き、気が利くこととありますから、先を読む力にもつながるかもしれません。こう考えれば、駅のプラットフォームであるいは電車の車両で、コートを着ているのが私ひとりであったとしても、恥ずかしいと思わないですみます。但し、寒がりの私のこと、春先に厚手のコートを手放さないでいると野暮になることを肝に銘じねばなりません。
 さて、来年度から制服にマイナーチェンジを加えます。制服も学校選択の大きな要因の一つです。生徒の要望を取り上げ、ネクタイとパンツスタイルを導入します。またブラウスもブルーに加えてピンクとホワイトを加えます。コーディネートを楽しみながらセンス良く着こなしてほしいと思います。

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