好文木(校長ブログ)
2024.06.29
Z世代の育て方

 1990年代後半から2010年ごろに生まれた世代をZ世代と言います。高校生から20代の若者までが該当します。女性の人材育成会社、株式会社新規開拓の朝倉千恵子社長はZ世代の特徴として①メンタルが弱い②対面でのコミュニケーションが取れない③周囲の目を気にしすぎる等を挙げています。この世代は余り怒られたことがなく、デジタルネイティブ、SNSネイティブのはしりで、正解を求めすぎ、失敗を恐れて一歩を踏み出さないという共通点があるとも言います。
 私は何時も生徒やオープンスクールに来る中学生と保護者に、失敗や挫折にめげず、そこから学び立ち上がる力、すなわち「挫折力」こそ人生の荒波を乗り越える上で最も大事な力だと話をしています。保護者のみなさんはその時は「そうだ、そうだ」と言わんばかりに大きく頷いて聞いてくださっているのですが、いざ具体的に我が子の問題となると、庇いに入られるのが常です。「可愛い子には旅をさせろ」と悠然と構えられる方は少ないです。
 また私はFace to Faceのコミュニケーションこそ大事だと言っていますが、人と話して問題解決を図ることを避けるきらいがあります。これはやはりSNSネイティブの特徴なのでしょう。生徒間でのSNSトラブルが絶えないのもここに原因があると思います。
 朝倉さんは「Z世代の新入社員」に仕事を教えるときの3大要点を次のように述べています。①経験量を増やすのではなく質を重視して正しいやり方を教える②抽象的な指導ではなく、具体的に指導する③小さな成長や成功を見つけて評価する。年配の人になると「仕事は先輩の背中を見て覚えるもんだ」とか「いちいち訊くな。自分で考えろ」と教えられてきたので、同じような指導をしがちですが、上記のような特徴を持つ令和の若者には昭和方式は有効ではありません。
 「今の若いものは」との思いは何時の時代にもありますが、そういう自分たちも同様に言われていたのではないでしょうか。時代が変われば人も変わります。時代に合った人の育成方法を採用すべきは当然のことと言えるでしょう。
 朝倉さんの指摘は決して新しいものではありません。山本五十六(太平洋戦争時の連合艦隊司令長官)は「やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ」と言っているではありませんか。
 それにしても、アメリカ大統領選のトランプ氏とバイデン氏のディベートは酷いものでした。とてもディベートと言えるものではなく、相手を口汚く罵る場面が多々あり、幻滅しました。78歳と81歳。住友総理事を務めた伊庭貞剛は「事業の進歩発展を害するものは、青年の過失ではなくして、老人の跋扈である」との言葉を残して58歳の時に総理辞職を譲って引退しました。若者の育て方もさることながら、老人の引き際もまた大事だと思います。

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