2019.07.20
令和元年度一学期終業式校長講話~進路について~

 みなさん、おはようございます。早いもので今年も半分が終わりました。一年生の皆さんは好文学園の生活にも慣れてきたころだと思います。そして多くの三年生はこの夏休みが進路決定の最終段階となります。そこで、今日は進路について私の経験を交えて少しお話をしたいと思います。
看護師や保育士など資格が必要な仕事に就きたいと考えている人はその資格が取得できる学校を選ぶこととなり比較的容易に進路を決定することができると思いますが、将来どんな仕事をしたいのかがまだはっきりしておらず進路を決めかねている人も多いのではないでしょうか。
私自身、高校時代を振り返ると、将来の仕事や勉強について特に明確なビジョンは持っていたわけではありませんでした。そこである程度汎用性のある即ちどのような企業にも就職が可能な大学に的を絞りました。そして私は歴史小説をよく読んでいましたので、その中から創立の歴史的経緯や創立者の人物像そして卒業生の活躍などを判断して自分の行きたい大学を決めました。
大学は政治経済学部を選んだのですが、最初は弁護士を目指して2年間ほど予備校にも通って法律の勉強もしてみました。しかしこれは自分の能力を超えていると悟り諦めました。
次に、勉強を続けて大学院に行こうかと考えた時もありましたが、その先が見えづらいので止めました。そこで就職することにしたのですが、どこを選ぶかいろいろ悩みました。卒業生にマスコミ人の多い大学だったので新聞社に行こうかとも考えましたが、相当狭き門なので一般企業に変えました。自動車会社、衣料品会社、食品会社、機械製造会社などのメーカーや銀行、証券会社、保険会社など金融など多くの業種がありますが最終的にグローバルな仕事ができる総合商社に決めました。
当時大手の総合商社は9社ありましたが、その中から小説のモデルになったと言われていた有名な人物がいた会社に入りました。太平洋戦争中は日本陸軍の参謀として活躍し、戦後シベリア抑留を経て帰国、商社に入り航空機ビジネスで名を馳せたその方の講演を社内で聴く機会がありました。「資源のない日本は世界が平和でなければ存続できない」と言われたことが強く印象に残っています。また、商社での仕事はなかなかハードでしたが、今につながる仕事の基本をみっちり教えてもらうことができ、この会社を選んでよかったと思っています。
大学での勉強も仕事も実際にやってみないと本当のところはわかりません。また、途中で興味関心が変わることもあります。ですから、進路決定において「こうでなければならない、これしかない」などとあまり狭く考える必要はないと思います。将来変更もあり得るという柔軟性を持った決め方で良いのではないかと思います。
アメリカの学者ジョン・クランボルツという人が次のようなことを言っています。「はっきりした職業の目標を持たなければ、やる気は湧いてこないという考え方は正しいとは思わない。未来の配偶者を決めないと、デートを始めることもできないとしたら、そんなナンセンスなことはないだろう」と。
変化の激しい世界では、良きにつけ悪しきにつけ自分の思い描いた通りのキャリアを実現することが出来なくなります。現実に起きたことを真摯に受け止め、その中で自分を磨いていく力が求められます。
クランボルツ氏は、アメリカの社会人対象の調査で、最終的に18歳で考えていた職業についている人は2%しかいないことから、めぐってきた偶然のチャンスを活かすことが、次なるキャリアへの道を開くことが圧倒的に多いと言っています。
余談になりますが、私は商社勤務ののちファミリー・カンパニーで経営に携わっていましたが、50歳になったころ、より公共的で人のためになる仕事をしたいなと思っていました。そんな時、本校での仕事の話が舞い込んできました。以前は教員免許を持っていなければ校長にはなれなかったのですが、法律が改正され、2000年度から学校現場に斬新な発想を取り入れ改革を促進するため授業を担当するのではない管理職に企業経験者など一定の条件を満たした者を採用することが可能となったのです。もともと教育には関心があったので、このチャンスを活かすことにしたのです。お蔭で今に至るまで皆さんとともに時に楽しく時に苦しくもある充実した毎日を送っています。
さて、進路を決めるためには材料がいります。日頃から社会の出来事に目を向けるとともに、大学や専門学校での勉強内容や企業での仕事に就いてのある程度の知識を得ておくことが必要です。これらの知識や情報は新聞・雑誌・本から得ることができます。先ずは自分で研究しましょう。そして保護者や先生に相談して意見を聞きましょう。
また自分の能力や適性を知ることも大事です。高望みをし過ぎては決まりませんが、さりとて自分を過小評価するのもよくありません。少し上を目指そうと努力することが大事です。それが将来の可能性を広げることにつながります。この姿勢は進学した後も就職した後も維持継続すべきです。常に自分を磨く姿勢があって初めて将来巡りくる偶然のチャンスを上手くとらえることができるのです。
進路への取り組みは三年生になってからというのではなく、一年生、二年生段階から意識することが大事です。準備期間は短いより長いほうが良いのですから。三年生になって、もっと勉強しておけばよかったと後悔することがないようにしてください。
さて、新校舎A3(エーキューブ)は9月末竣工、10月中旬から使用開始の予定で工事が進んでいます。2学期を楽しみにしていてください。みなさんが健康に留意し有意義な夏休みを過ごせることを祈ります。

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