好文木(校長ブログ)
2024.04.04
令和6年度入学式式辞

 新入生のみなさん、入学おめでとう。保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
 今日みなさんは、どんな気持ちでこの式に臨んでいますか。待ちに待った好文生になれて喜び勇んでいる人もいれば、本当は公立高校に行きたかったんだけどなと少し気落ちしている人もいるかもしれません。私達はそのどちらの人も3年後、好文学園に入って良かったと思える学校生活になるようみなさんを精一杯サポートしてゆきます。
 さて、一昨年から成人年齢が18歳に引き下げられ、名実ともに高校3年間は社会人への準備期間となりました。社会人には経済的・精神的自立が求められます。そこで、高校時代にぜひ実践してほしいことが三つあります。
 先ず一つ目は、自分の頭で物事をしっかりと考え、ことの良し悪しを判断し最適解を見つけることです。世の中は〇か×か、白か黒かだけでは解決できないことがたくさんあります。答えが一つでないこともあります。
 二つ目は、コミュニケーション力を高めることです。多種多様な人たちと上手に人間関係を築くことです。これは多くの企業が学生に求める資質のトップに挙げています。秘訣は人の話にしっかりと耳を傾け、人の気持ちを理解しようとする「傾聴と共感」の姿勢です。
 三つめは読書です。読書では知識の吸収と情報の収集のみならず、論理的思考を養うことができるとともに人の生き方や考え方に触れ、想像力や共感力を高めることができます。
 生態学者の宮脇昭さんは「それぞれが多少の我慢を強要され、そして競争しながら実は限られた空間で共生している。これが健全な生物社会の姿である」と述べていますが、人間社会もすべからく同じであり、学校もまた然りです。趣味趣向や考え方の違う人たちが共同生活をするのですから、自分の思い通りにいかないこともあります。我慢も必要です。時に諍いも起きるでしょう。しかし、失敗のないところに成功はありません。失敗を恐れるのではなく、失敗から学び次に生かすことが大切です。
 過去と他人は変えることはできませんが、自分と未来は変えることができます。
 さあ、今日から自分サイズの未来への扉を開けましょう。みなさんとともに有意義な3年間を過ごせることを、そしてみなさんの健闘を祈念して、私の式辞といたします。
 

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