好文木(校長ブログ)
2023.07.19
令和5年度1学期終業式講話

 生成AI、チャットGPTは飛躍的な進化を遂げています。数年前、東大入試合格は無理と言われていましたが、今では最難関の司法試験に合格するレベルになりました。受験や就職時の小論文や志望動機、自己PRなどもキーワードを入力すればAIが作成してくれます。
 悩みを相談すると、「いらだつのもわかります」と、共感を示す言葉から回答を始め、質問を重ねて利用者の状況をよく知ろうとしたり、絵文字で会話の雰囲気を和ませたりするアプリもできているそうで、これは相手の話に耳を貸さない人間よりよほど親切です。
 ところが、AIの判断がすべて正しいとは限りません。三重県で4歳女児が虐待死した事件では、AIの診断はまだ保護するには至らないレベルとの判断だったそうです。
 AIは過去の膨大な事例を読み込み瞬時に回答を導き出します。しかし、一見正しそうに見える回答にも過ちが結構多く人権侵害も取りざたされています。読み込む事例に偏向的なものが多く含まれると、世論を誘導することにもつながります。あるITの専門家は、「チャットGPTはとかくその万能さが喧伝され、そこに知性があると思いがちだが、知性の中核となる価値判断能力はない」と評しています。
 「神は細部に宿る」と言います。細かいところに目を向けなければ真実は見えてきません。AIの判断を参考にはしても、最後は人間が自分の目で耳で確認し、しっかりと考えて結論を出すことが大切です。そうでなければ、AIに支配されてしまうことになります。
 知性を磨き価値判断能力を身につけるためには、いつも言うことですが考えながら本を読むに限ります。夏休みは読書に最適です。本を片手に有意義な夏休みを過ごしてください。

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