好文木(校長ブログ)
2024.05.13
就社から就職へ

 新卒や若手社員の早期退職が目立っていると日経新聞が伝えています。新卒の4割が転職を視野に入れているといいます。会社を辞めたい理由のトップは「仕事にやりがいや意義を感じない」ということです。また、この連休明けから退職代行への依頼が急増しているとのニュースも見ました。「最近の若者はこらえ性がない」と昭和のおじさんの嘆きが聞こえてきそうです。確かにこらえ性もなくなってきているでしょうが、仕事への意識も高くなっているともいえるでしょう。4割の中にはこれが混然一体となっているように思います。
 従来の会社に合った人材を選び様々な経験をさせて育てていくメンバーシップ型から職務内容や条件を明確化し仕事に合った人材を選ぶジョブ型への移行が進みつつあります。そして、転職にネガティブなイメージがなくなり、むしろスキルアップと給与アップのために転職がポジティブなイメージに変わりました。採用する企業は、ジョブ型なのかメンバーシップ型なのか、採用条件を詳しく説明することが必要だと思います。また新卒の学生は最初からスキルがあるわけではないので、やりたい仕事に行きつくまで一見無駄と思えるような脇道でのトレーニングも必要であることを理解せねばなりません。
 私の予備校時代の友人は、ジョブ型転職を繰り返しスキルアップと給与アップを実現し、最終的に自分の会社を立ち上げました。当時としては非常に先進的な考え方をもって成功した例だと思います。彼は最初、日本のリース会社に入社し海外支店の開設にかかわりました。その後外資系金融機関を渡り歩き、債券引き受けを始め様々な職務経験を通して金融のプロを目指しました。具体的な目標を定めての転職が成功の秘訣だったと思います。
 新卒で入社した会社を定年まで勤めあげるのが良いという考え方は、就社の発想だったのですが、今は就社から名実ともに就職への過度期なのかもしれません。ただ漠然と自分に合った仕事がしたいだけで転職を繰り返すと、結局、何もスキルが身につかず給料も上がらないという憂き目にあってしまいます。目的意識が重要です。

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