
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
待ちに待った好文生になれて希望に満ちて式に臨んでいる人もいれば、本命ではなく気落ちしてという人もいるでしょうが、与えられた場所で精一杯生きることこそ未来への飛躍につながるのではないでしょうか。高校3年間は大人になる準備期間です。18歳成人は目前です。高校生活を思いっきり楽しむとともにしっかりと勉強をして選択の幅を広げてください。私たちも精一杯サポートしてまいります。
私が大学を卒業し就職したころは『Japan as No.1』という本がベストセラーになり日本経済絶好調の時代でした。「もう欧米に習うことはない」という空気が広がっていました。しかし、想定以上のスピードで少子高齢化が進み、国力の低下が著しくなってきました。そしてAIの進歩とともに益々格差拡大と二極化も進みそうです。また世界は協調から対立へと歴史が逆回転を始め、戦争や紛争が止む気配がありません。みなさんはこのような不確実性の時代を生きてゆくことになります。厳しい時代ですが、これはチャンスでもあります。本校のスローガンである「個性創造」の時代、すなわち基礎基本をしっかりと身につけたうえで独自性を発揮することが極めて重要になる時代がやってきたのです。
社会に出ますと、答えのない問題に出会うことも多くなります。自分の頭でしっかり考える習慣を身につけてください。各教科の勉強はそのための基礎基本です。その上で、ニュースを見たり新聞を読んだりして社会への関心を深めてください。また、考えながら読書をすることによって、知識を吸収するとともに多種多様な意見に触れる機会も増やしてください。この3つを行うことは進路決定にも大いに役に立ちます。最近は人間関係が希薄になったと感じます。世の中の悩みのほとんどは人間関係の悩みと言われます。人間関係を上手に取り結ぶセンスを磨いてください。そのためには人の意見に耳を傾ける「傾聴」と、人の立場を慮る「共感」の姿勢が大事です。
高校3年間、たくさん失敗をしてください。人は成功から学ぶところは少なく、失敗から学ぶところが多いのです。失敗は成功の基です。失敗しないと成功はありません。ただし、失敗しっぱなしではいけません。失敗の原因を突き止めて同じ失敗をしないよう失敗から学ぶことが大事なのです。失敗する勇気とお互いの失敗を許容する寛容さを持って下さい。みんな失敗から学び成長するのですから。
わたしはみなさんとともに楽しく有意義な3年間を送りたいと思います。そして皆さんが満足行く進路を決めて卒業することを祈っています。困ったことがあればいつでも相談に乗りますから、遠慮せずに校長室のドアをたたいてください。みなさんの健闘を祈念して私の式辞といたします。