
2025.04.11
令和7年度スタート
241名の新入生を迎えて令和7年度が始まりました。満開の桜の中、気分も新たに登校してきた人も多いのではないでしょうか。私も家から最寄り駅までの途中に桜並木があり、お花見しながら出勤しました。
今日は「桜」について少しお話をしたいと思います。
私も年齢を重ねるに従い桜の魅力に取りつかれ、桜の季節になると開花が待ち遠しくてソワソワします。春の休日に、柔らかな光が差し込む居間で本を読む目を休め、庭の桜を眺める時、「願わくば花の下にて春死なむ その如月の望月のころ」と詠んだ西行の気持ちがわかるような気がします。
日本の古代において桜は農耕的生産力や女性の生殖力を表す存在でした。また死者の再生の象徴でもありました。これが中世になると、咲く桜から散る桜へ「もののあわれの美的価値」を表すものへと変わります。その間、遣唐使の廃止を機に文化的ナショナリズムが高まり、京都御所の紫宸殿前の右近の橘、左近の梅が左近の桜に変わりました。江戸時代には、家康、秀忠、家光そして吉宗が堤防の補強のため桜の植樹を奨励し、全国に広がりました。明治に入り、軍国主義の台頭により、桜の伝統的な魅力は政治利用され、潔く散る桜は戦死を美化する象徴となりました。桜にとって不幸な時代でした。そして戦後、再び桜は文化的意味合いを取り戻し、庶民に愛される花となりました。
戦後80年、世界では戦争や紛争が絶えず、花を楽しむどころではない人もたくさんいます。お花見を楽しめる平和の有難みをつくづく感じます。今年もみんなと一緒に良い一年にしたいと思います。
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