好文木(校長ブログ)
2020.06.05
どうなるコロナ禍の授業と入試

 萩生田文科相は、9月入学見送りを正式に発表しました。しかし、その一方で、安倍首相が文科相と会談し、「中学3年生など最終学年の児童・生徒について不公平にならないよう配慮してほしい」との要請したことを受け、文科省幹部は、感染拡大第2波が起きた場合には、小中高などの今年度の就学期間の延長を検討することを明らかにしたとのことです。以前より、感染症専門家等から第2波、第3波が起こる確率が極めて高いと言われていたのですから、就学期間延長の可能性は既に想定内だったと思います。
 また、臨時休校による授業の遅れを取り返すために、夏休みを大幅に短縮する動きが広がっており、詰め込み授業に懸念の声が上がっています。地域によって、学校再開の状況が異なり、3カ月の遅れをどこまで取り戻せるかも微妙なところです。
 本校も文科省、大阪府等の方針に倣い夏休みの大幅短縮を予定していますが、私は今年も猛暑となりそうだという気象予想が気になります。最近の日本の夏は亜熱帯並みです。その時期に、コロナ対策をしつつ授業を行わねばなりません。
 6月に入り気温がぐんと上がり、昨日今日の最高気温は30度を超えています。例年なら、授業中、窓を閉めてクーラーを入れるところですが、コロナ対策のため換気が必要です。クーラーは控え、窓を開けて授業をしています。数人の生徒に訊いてみましたが、まだ風が通るので大丈夫だと言っていました。生徒には授業中の暑さ対策として、制服以外にTシャツや体操服のハーフパンツの着用を認め、水分補給とうちわや簡易扇風機の使用も許可しました。しかし、7月・8月の真夏の授業となれば、クーラーをかけても換気もせねばならず、クーラーの効果は半減しそうです。生徒にとっても教員にとっても厳しい状況が予想されます。学習効率はけっして良くないと思います。
 就学期間の延長もさることながら、受験生は大学等入試の日程についても気が気ではありません。今日、文科省を通して、全国高等学校長協会から、入試日程を遅らせ、入試問題の出題範囲を限定することなどを求めた大学入試のあり方についてのアンケートが来ました。いまさらながらの感を拭えません。私はコロナの第2波も視野に入れ、最大限の余裕をもって学習に向かい受験ができるためには、9月入学への変更が適しているとの意見ですが、政府・文科省は教育専門家や現場の意見等に押されて見送りを決定しました。そして次の一手が決められないままの状況です。優柔不断な対応で決定が遅れて一番困るのは、児童・生徒です。

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