好文木(校長ブログ)
2026.07.10
独裁と独断

 選手の退場処分に関しFIFA(国際サッカー連盟)会長に出場停止処分の見直しを求めたトランプ大統領、そしてそれに応じたFIFAの行為は、スポーツに政治的介入をもたらす暴挙として、欧州サッカー連盟(UEFA)のみならず多くの反発を招いています。トランプ大統領の数々の独裁者的な振る舞いから「王はいらない」運動が起きています。独裁者というとヒトラー、ムッソリーニ、スターリンが頭に浮かび、ある団体において権力を独占して恣意的に物事を進める者を意味します。

 一方で「独裁すれども独断せず」が良いリーダーの資質だともいわれます。周りの人々の意見をしっかり聞いたうえで、最後の決定はだれにも頼らず自らの責任で下すべきだという意味です。独断はよくないが独裁はよいと。ポイントはことを決めるにあたり、判断材料が恣意的なものなのか、異なる意見も含め衆知を集めて十分吟味した上でのものなのかの違いです。

 企業では「役員会でみんなが賛成することはやるべきではない」とも言われます。伊藤忠の丹羽さんは社長時代、役員みんなの反対を押し切って不良債権4000億円を一括償却し、株価、業績とも急回復させました。ニデックの永守さんは一代で事業を起こし大会社に成長させましたが、だれも逆らうことができない風潮を作ってしまい、不正会計問題を引き起こす原因を作り、引責辞任となりました。丹羽さんは会社を救い、社員の生活を守ろうという目的から思い切った処置に出ました。永守さんは売り上げを伸ばし会社を大きくすることにのみ固執しすぎたのだと思います。独裁と独断は紙一重です。「その目的善なるか」を自問自答することが大切なのだと思います。

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