好文木(校長ブログ)
2020.01.08
令和元年度三学期始業式講話

 明けましておめでとうございます。比較的暖かく穏やかな冬休みが終わり、今日から3学期が始まります。一年の計は元旦にありといいますが、みなさんは今年一年をどのように過ごそうと考えているでしょうか。
 年明け早々、アメリカが戦争の芽を摘むためと称してイラン革命防衛隊の司令官を殺害したことにより、イランとアメリカの関係がきな臭くなってきました。中東で戦争が勃発する可能性もあります。また世界各地でテロが起こる懸念もあります。原油輸送の要衝であるペルシャ湾のホルムズ海峡が封鎖されるようなことになると、原油価格の高騰を招き世界経済に悪影響を与えるでしょう。日本では7月から東京オリンピックが始まります。
 スポーツによる平和の祭典が世界政治の思惑に翻弄されることは避けたいものです。
 世の中は常に不確実性に満ちています。元日の日本経済新聞一面トップは「さびつく成長の公式」と題した記事を掲載していました。経済が拡大すれば社会全体が豊かになるという成長の公式が崩れてきています。富の源泉はモノの大量生産から知識や情報にシフトしています。先進国では格差が開く一方、世界全体では貧困層が減少しました。
 これは何を意味するのでしょうか。以前に比べ、ハードルが上がったということです。
 貪欲に知識を吸収し、情報リテラシーを磨かなければ、先進国日本の中では生きづらい時代になったということでもあります。
文科省が進めている大学入試改革は、英語民間テストと国語と数学における記述式の導入が延期となり頓挫した格好となっていますが、学習指導要領は大きく変わります。国語を中心に論理的思考が重視され書く力も求められます。ハードルが上がります。先ずはしっかりと基礎勉強をしてください。
 定期テストではそこそこ良い点数が取れるけど、模擬試験ではさっぱりという人は多いのではないでしょうか。決まった範囲の決まった勉強はできるのですが、範囲が広くなるとできなくなるのは知識の定着が不十分だからです。知識を定着させるためには日々の授業を真剣に受け毎日の復習が必要です。みなさんが先進国日本で通用する力を持てるように、私たちも授業やテストなどにおいて様々な見直しをしなければならないと考えています。
 3年生はあと50日ほどで卒業式を迎えます。今月末には高校最後の定期テスト、学年末考査が始まります。有終の美を飾って卒業してください。2年生、1年生は進路に向けて情報収集と勉強をしっかりとやっていきましょう。厳しい時代の足音が聞こえてきますが、常に学ぶ姿勢をもって万全の準備で臨めば怖れることはありません。今年一年がみなさんにとって有意義な年となることを願っています。

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