好文木(校長ブログ)
2025.02.28
令和6年度卒業証書授与式学校長式辞

 3年生のみなさん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
 みなさんにとって好文学園での3年間はいかがだったでしょうか。楽しいことばかりではなく、辛いことや悔しいこともあったと思います。そのすべての思いを包み込んで今日のこの卒業式に至ったということ、それだけで十分価値があったと私は思います。
 さて、今年は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪・関西万博が開催されます。そして、日本が目指すべき未来社会の姿としてSociety5.0が提唱されています。これは狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く社会であり、「仮想空間と現実空間を高度に融合したシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する人間中心の社会」と定義されています。私たちは日々進歩するAIとSNSにより、容易に多くの情報を入手することができますが、その真偽のほどの十分な検証がないまま世論が形成される傾向にあり、これは社会の二極化と分断をもたらします。論理ではなく感情によるポピュリズムが幅を利かすと、専制を招き国家を危うくするリスクが高まることは歴史が証明しています。
 勉強を怠らず、論理的思考と健全なる批判精神、すなわちクリティカルシンキングを身に着けてください。そのためには常に申し上げているように考えながらの読書を通じて知識を増やし多様な異なる意見に耳を傾けること。失敗を恐れず行動し、失敗に学び進み続けること。この二つを日頃から実践してください。実社会では答えは一つとは限りません。〇か×か、白か黒かではなく、しっかり自分の頭で考えて最適化を図るセンスを磨いてください。主体性とセンスこそが不確実性の時代を生きる武器となります。
 私は3年間、みなさんとともに学校生活を送ることができとても幸せでした。学年が上がるごとにみなさんとの接点が増えました。様々な悩みや進路の相談に乗ったり、面接練習をしたり、志望動機や自己PR文の添削をしたり。そして一昨日の卒業記念行事ではUSJを共に楽しむことができました。もうみなさんと朝の挨拶を交わすことがないと思うと寂しさを感じます。卒業してもたまには遊びに来てください。
 みなさんはこれから人生という長い旅に出ます。文化祭で歌った『正解』の歌詞を借りるなら、みなさんの制限時間は長く、私の制限時間は短いので、答え合わせの時には立ち会えません。採点基準はみなさん一人一人のこれからの主体性とセンスにかかっています。
そして校歌にあるように優しく強い人であってください。「強くなければ生きられない、優しくなければ生きる価値がない」のですから。
みなさんの健康と幸せを心から祈りつつ私の式辞といたします。

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