先週土曜日、晴天の下、第74回卒業証書授与式が挙行されました。玄関には書道部、家庭科部、美術部、華道部がそれぞれお祝いの作品を展示してくれました。特に今年の華道部は、生徒たちが日ごろ使っていた教科書やバッグ、靴などに花を生ける斬新でおしゃれな作品がひときわ目を引き、写真スポットにもなっていました。
事前に、今回も式辞はなるべく短くと生徒から頼まれておりました。原稿の推敲を重ねて臨み、5分で終えました。「校長の話は長い」というのは定番です。簡潔に言いたいことを伝えるには、こういう生徒からの要望はありがたいものです。式後、校庭で生徒たちのリクエストに応じ写真に納まった折、件の生徒に式辞の感想を訊くと「短かった、よかった」とのこと。今後も式辞は5分で行きたいと思います。
始業式や終業式の講話は3分に納めるようチャレンジします。ここしばらくはコロナで、放送での始業式・終業式でしたから原稿を読む形でやれました。しかし、今度の終業式からは元に戻り、生徒の顔を見ながら話すことになります。生徒の反応がいまいちだと、つい同じことを何度も繰り返したりしがちで、話が長くなりますから要注意です。そうならないためには事前に十分話の内容を練り、印象に残るワードを用意しておかねばなりません。何度やってもスピーチは難しいです。
今朝、いつもより1台遅い電車で出勤すると、校長室の清掃はすでに終わっていました。しばらくすると、いつも清掃を担当してくださっている女性が私のところにお越しになりました。卒業式当日、玄関で清掃をしていると、一人の生徒がやってきて「私は今日卒業します。一言いいたいことがあります。毎日清掃をしてくださり本当にありがとうございました」と言って立ち去ったそうです。その言葉を聞いて、そのあとはうれし涙にくれながら掃除をしたとおっしゃっていました。そして「このような生徒がいる学校で働けて私は本当に幸せです。この気持ちをお伝えしたくて参りました」と目を潤ませながらお話し下さいました。
以前にも、真夏の暑いとき、トイレ掃除で汗をかいておられる清掃の方に冷たいジュースをもっていってくれた生徒がおりましたが、このような生徒がいてくれること、大変うれしく思います。まさに「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」とはこのことであり、今日の公務運営委員会にて皆に伝えました。