好文木(校長ブログ)
2019.02.12
卒業式式辞の裏話

 入学試験が終わり、あとは卒業式を待つまでとなりました。私にとっては今回で11回目の卒業式となります。卒業式と入学式には校長として式辞を読みますが、入学式の式辞に比べると、やはり3年間の思いが詰まった卒業式の式辞は重くならざるを得ません。いつも卒業式の一ヶ月ぐらい前から式辞を書き始めます。推敲を重ねるので時には当日の朝に最終版が出来上がることもあります。
 内容には就職者、進学者ともに向けて社会人として生きてゆく上での覚悟などを私自身の経験を踏まえて盛り込みます。また、その時々の政治、経済、社会の話題にも触れるようにしています。生徒だけではなく保護者も大勢聞いておられますので、若干ハードルは上げるようにしています。
 過去10年間の式辞を調べてみますと、一番長いもので約2,200字、短いもので約1,670字でした。400字詰め原稿用紙で4~5枚といったところです。すらすら読めば5分もかかりませんが、生徒のほうを見ながら反応を確かめながら間合いを取って話すとその倍はかかります。しかし、あまり長くなっては聴いているほうが持ちませんので、15分以内には収めるようにしています。10分ぐらいがベストかなと思っています。
 私自身も小学校から大学まで校長や総長の式辞を聞いてきましたが、残念ながら何一つ覚えておりません。そもそも校長の式辞を聞きたいと思う生徒はそんなにはいないと思います。長い話はやめて、「おめでとう!本当におめでとう。これからも頑張れ!苦しくなったら、寂しくなったらいつでも戻って来いよ」とだけ伝えたいのですが、それでは格好がつきません。そこで、私のこの率直な思いは、卒業式前に行われる卒業記念行事の冒頭あいさつで述べるようにしています。
 数年前、専門学校に進んだ生徒がその入学式の後に訪ねてきてくれました。「専門学校の入学式の校長の式辞で、卒業式に校長先生が言われたことと同じことをおっしゃっていましたので驚きました」と報告に来てくれたのでした。「私の式辞をちゃんと聴いている子もいるんだな」と妙に感心したものです。そして当然ながら嬉しくも思いました。

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