衆議院選挙が2月8日に決まったことを受けて各党が公約を発表しています。消費税については、与党自民党も食料品について2年間ゼロを打ち出しています。しかし新聞記事をよく読むと、自民と維新の連立政権合意書には、「2年間に限り消費税の対象としないことも視野に法制化につき検討を行う」と記載したとあり、可能性を考慮に入れてよく吟味して考えるというレベルであり、まだ2年間ゼロにすることを決めたわけではないということです。一方で高市首相は1月19日の記者会見で消費税減税を「私の悲願でもある」と説明しており、党と首相との間に温度差を感じます。
消費税は将来の社会保障費の確保をにらみ難産の末1989年竹下登内閣時に成立したもので、まさに当時の自民党の悲願でありました。広く薄く国民に税負担を求めるのが妥当との判断です。ですから自民党は消費税減税に対しては消極的なのは当然です。高市氏も首相就任前は否定的でしたが、野党主張の恒久減税ではなく2年間限定という落としどころへ譲歩した形です。
「君子豹変す」といいます。立派な人格者は自分の過ちに気づけば直ちに改めるという意味と状況に合わせてコロコロ意見を変える意味と二通りの使われ方があります。「それは本当に国民のためになるのか」という視点があるのかどうかがその分かれ道だと思います。また、信念を持つということは人として大事なことだと思いますが、それが国民の利益を害する結果となっては元も子もありません。
消費税減税に関しては、減収を補う財源がなければ、将来の国民に負担を先送りすることになります。投資促進により経済成長を図り税が増えるとの思惑は根拠が希薄で、財源を明示せずに減税を先に実施しようとしているため、海外投資家は財政悪化を見越して日本の超長期国債の購入を見合わせる動きに出ています。日本国債売りが強まると金利が上がります。庶民の暮らしはさらに苦しくなります。金利上昇が一段と進めば株価にも影響が出て潮目が変わるかもしれません。
「政治屋(politician)は次の選挙を考え、政治家(statesman)は次の時代のことを考える」(ジェームズ・クラーク)といわれます。目先の利益にとらわれず次世代を見越した選択が必要ですが、与野党揃って大なり小なり消費税減税を謳っており、悩むところです。







