3年生のみなさん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
さて、卒業生の皆さんは4月からの新しい生活に期待と不安で一杯のことと思います。私もまた遠い昔になりますが念願の大学に合格した時、そしてその後第一志望の企業に就職が決まった時の高揚感と新たな不安に包まれていた往時を懐かしく思い出します。
私は高度成長時代、バブル時代、バブル崩壊後の失われた30年を過ごし、日本経済の上り坂と絶頂期そして下り坂を体験してきました。これからは人間の能力を凌ぐほどのAIの進歩と第二次大戦後の国連中心の国際秩序が揺らぎ、大国の力による現状変更が横行する国際情勢の不安定化によりさらに不確実性が高まっていくと思われます。
みなさんは進路を決定するにあたり、目標を設定し計画を立ててきたと思います。ことを成すには、状態目標、行動目標、数値目標を設けることが必要です。しかし、不確実性が高く変化が激しい社会では、状況が大きく変わることもあります。スタンフォード大学のクランボルツ教授は、個人のキャリアの80%が予期しない偶発的な出来事によって決まるという「計画的偶発性の理論」を提唱しました。社会人を対象とした調査でも18歳で考えていた職業に就いている人はわずか2%だったという結果も出ています。
実は私自身も18歳はおろか50歳になるまで今のこの職に就くとは思いもよりませんでした。大学卒業後は総合商社に入り7年勤めた後、中小企業の経営に携わっていましたところ、縁あって本校の校長になることとなりました。
クランボルツ教授は、巡ってきた「偶然のチャンスを活かす」ことで、次なるキャリアへ道を開くことがあると言っているのですが、偶然のチャンスを上手く捉えるためには日常生活を計画的に送ることが必要だと言っています。そして、その要件として持続性、好奇心、冒険心、柔軟性と楽観性の5つを挙げています。今を一生懸命に生き学び続けることが大事です。みなさんも先ずは選んだ大学や専門学校での勉強や就職先の仕事を一生懸命やってください。それが基礎基本を作ります。そして好奇心や冒険心を失わず楽観的に柔軟に生きることが偶然のチャンスを呼び込むことに繋がります。
初めての教育現場にいきなり校長で来た私の場合も冒険でしたが、好奇心が背中を押しました。この19年間、苦しいことも多くありましたが、こうしてみなさんと関わり、みなさんの成長に多少なりとも資することができ、とても嬉しく幸せに感じています。
みなさんもこれからの長い人生では、度々困難に出会ったり、難しい決断を迫られたりすることがあると思いますが、それを一つ一つ乗り越え、穏健着実に人生を歩んでいってください。みなさんの前途に幸多かれと祈りつつ私の式辞と致します。







