2007年、安倍内閣時に決定された「教員免許更新制度」が廃止されることになりました。費用と時間がかかる割に教員の資質向上に役立っていないとの理由ですが、講習を受ければほとんど全員が更新される制度の内容から推して知るべし結果だと思います。
大学入試改革における英語の民間テスト利用と記述式問題も、欧米のシステムの一部を日本型システムの土台を変えずに持ってこようとして敢え無く失敗。ゆとり教育然りで、文科省のやる改革はどうも今一つの感があります。
さて、コロナ禍における我が国政府の混乱ぶりは目を覆うばかりです。最前線で頑張ってこられた西村経済再生相の発言とその撤回が物議をかもしています。自粛要請に従わない飲食店への酒の販売を禁止する酒類問屋への要請もさることながら、金融機関からも働きかけをしてほしいという発言には、私もすぐにこれはまずいだろうと思いました。案の定、業界からの猛反発を受けて、共に撤回の憂き目にあいました。最初は西村大臣の考えかと思われていましたが、内閣官房が正式に出した要望とわかりました。ちょっと考えればまずいということがわかりそうなものですが、感性が鈍っているのでしょうか。
そのうえ、麻生財務相は「違うんじゃねえ。言ってることがわかんねえからほっとけ」といつもの毒舌。いったいこれは誰がどう決めたのか。ワクチン接種についても司令塔が誰なのかよくわからず、政府の段取りの悪さが自治体に不信感を与えています。
安全安心でないと思うから通常ではない対応をして開催に漕ぎつけているにもかかわらず、「安心安全なオリンピック」の看板を下ろしません。「敗退」を「転進」と言い換えた太平洋戦争時の大本営発表を連想します。
学校における様々な日常行事、例えば体育祭、文化祭、オープンスクールなどを開催するにあたり、目的を立ててその実効性を担保する段取りを組まねばなりません。そのためには司令塔が必要です。そして司令塔が全体を掌握しコントロールしなければ、出来上がりがちぐはぐになり、各所に不満が残ります。昨今の政府のドタバタ劇は実に良い反面教師となります。それにしても、国事においてこれではあまりにもお粗末すぎます。