セミが鳴きだしました。梅雨明けも間近。そしてまた猛暑の夏がやってきます。海にプールに思いっきり遊びに行きたいところですが、今年の夏もまた小池都知事の言を借りるならば「特別な夏」となり、自粛生活が続きます。
コロナは、ロックダウンを実施した国でもそう簡単には収まらず、ワクチン接種を進めながら、ロックダウンを繰り返しているのが現状です。また、感染者数(81万人)、死者数
(1万5千人)ともに先進国では日本は格段に少ないのも事実です。昨日、来日したIOCバッハ会長の母国ドイツの感染者は370万人、死者は9万1千人です。これでワースト12位です。ワースト1位のアメリカではそれぞれ3300万人と60万人ですから、海外から見れば、日本は比較的安全な国と考えられているのでしょう。
東京への4度目の緊急事態宣言発出に際し、菅総理は「先手先手を打って」と発言されましたが、違和感を覚えました。オリンピックの開幕に先手を打ったつもりでしょうが、コロナ対策という意味では、残念ながら後手後手と言わざるを得ません。
政府のあまりにも楽観的な予測と段取りの悪さに加えて、総理の発言がイライラ感を募らせています。菅総理、根はまじめで愚直な方だと思いますが、その分、表情がなく素っ気なく他人事のような言い方をされるので、良さが帳消しにされているのではないでしょうか。また、質問に正面からきちんとお答えにならないこともしばしばです。都合の悪いことには長い説明でごまかすこの傾向は前政権から強まったように思います。これでまた議論が噛み合わずフラストレーションが溜まります。安倍総理肝いりの教育再生会議は、論理的思考力や表現力そしてコミュニケーション力を付けなければグローバル人材は育たないと提言していたのですが、政治家が範を示さないのでは説得力がありません。
ケネディ大統領やオバマ大統領に代表されるように話し方や内容を吟味するスピーチライターやファッションコーディネーターを付けるのが海外では一般的になっています。それだけ、大衆へのスピーチの持つ力が大きいということです。「伝える力」、コミュニケーション力が重要なのは政治家に限りません。企業トップなどリーダーには必須の要素です。そしてまた、教師にとってもこれは外せません。生徒や保護者からクレームが出る大半はコミュニケーション力の問題です。まさに他山の石とすべきです。