コロナ禍でのオリンピック、感動のドラマを生みながら、酷暑の日本で死力を尽くすアスリートのみなさんには心から声援を贈ります。しかし、陽性反応で出場辞退に追い込まれる選手も出ており、複雑な気持ちです。
オリンピックの運営やコロナ対策の運用においては様々な矛盾が生じています。先日MBS報道特集では、アメリカ在住の日本人女性が、余命いくばくもない母親を見舞うため一時帰国したものの、14日間の隔離を要請され、やむなくアメリカに戻ったという事案を伝えていました。この女性はアメリカで2回のワクチン接種を終えていたそうです。また、本人が癌の手術を受けていたため検査の必要もあり、そう長くアメリカを離れているわけにはいかなかったようです。アメリカに帰国後母親は亡くなり死に目に会えなかったことを無念に思っているとのこと。
一方、オリンピックのサッカー南ア対日本戦では、濃厚接触者となった南ア選手団の出場が危ぶまれていましたが、試合6時間前のPCR検査で陰性ならOKとなり、試合は予定通り行われました。なぜ、件の女性の母親への見舞いを許可する配慮が出来なかったのか、海外ではこのような場合には特例をもって対処していると聞くと、誠に気の毒で残念に思います。
開会式は無観客での実施となりましたが、国立競技場周辺に人だかりができていました。これなら整然と人数制限しながら有観客で行ってもよかったのではないか。選手団入場に際し、日本はスマホ使用禁止としていたそうですが、明るく元気に手を振りながら楽しく入場するのがスタイルとして定着している中で、その必要があったのか。ボランティアに用意した弁当が数千個も廃棄されていたようで、持続可能性を謳う大会組織委員会の趣旨に反しているとの批判が出ているが、他に転用は考えなかったのか、等々。
IOCのバッハ会長、お気の毒ながら評判がよくありません。開会式では、13分間の挨拶が長かったと批判されています。長時間にわたる開会式に飽きた選手が、挨拶中に、寝っ転がったり飲み物を飲んだりしていたと報じられています。なにぶん4時間に亘る長丁場ですから、緊張する場面とリラックスしてよい場面とのメリハリをつける必要があったのではないでしょうか。天皇陛下もご臨席されていたのですから、これはちょっとまずいですね。プログラムの順序を変えるとか考えないと。陛下のお言葉の時、総理と知事が最初着席のままで途中で慌てて立ったのは、「ご起立ください」とのアナウンスがなかったからというのも、これまたちょっとお粗末ですね。卒業式、入学式の学校長式辞、最近は言われなくても生徒は起立しますから。
昨日、中学校向けの学校説明会を開催しました。大変多くの先生方にお越しいただき有難く思います。今回は全体会の前に各コースの体験授業にご参加いただきました。暑い中、先生方もお疲れのことと思い、私の教育方針を述べる挨拶、当初は20分ぐらい大丈夫ですと言われていましたが、短めにしようと決めました。教育方針ですから2~3分というわけにはいきませんが、極力コンパクトに10分弱で終えました。たくさんの生徒たちが案内に活躍してくれました。私が長々説明するまでもなく、その生徒たちの姿を見、話していただいて、本校の教育をご判断いただけたのではないかと思います。
コロナ禍のオリンピック、考えさせられること満載の夏がゆきます。