好文木(校長ブログ)
2018.04.24
孤独を楽しむ

IMG_0875 初夏の陽気の日曜日の朝、鶯の声に誘われて本を片手に庭に出ました。ヤマザクラの下に出しっぱなしの木の椅子が置いてあります。風雨にさらされかなり貫録が付いてきました。暫らく座って本を読んでいると時の過ぎるのを忘れます。時折、本から目を離し、上を見上げると、木々の葉の間から青空が見えます。幸せを感じる独りの時間です。
女子高生にとってスマホは友達とつながる大事なツールで手放すことが出来ません。
しかし、SNSでの発言が人を傷つけ友人関係を壊すこともあります。顔が見えないだけにSNSで使う言葉や表現には十分注意を払う必要があります。以前、こんなことがありました。グループLINEで送った「なんでくるの?」という言葉、送り主はどういう交通手段で来るのかを訊いたのですが、受け手は「なぜくるのか?」と詰問されたと取ったのです。
女子の場合、クラスでも仲良しグループが出来ると、いつもグループ全員で行動しなければならないというような幻想を抱くようです。いくら仲良しでも時にはみんなと一緒に行動したくない場合もあるでしょう。また、あまり濃い付き合いはしんどく感じることもあると思います。私は人間関係のコツは浅く付き合うことだと思っています。あまり深く入り込むと、一旦こじれると収拾がつかなくなります。IMG_0633
教育現場では、幼い頃から「友達たくさん作ってみんな仲良く」と言うものですから、子どもたちは、独りぼっちではダメなんだと思い込んでいる節があります。でも、私は独りを楽しむことが出来る人の方が、他人の気持ちを考えることができ、他者との付き合いも上手にできるのではないかと思います。
一人で部屋に閉じこもっているのと孤独を楽しむのとは全く異なります。孤独を楽しむというのは自分だけの時間を満喫することです。極めて生産的な時間です。本を読んで思索に浸るのも良し、絵を画いて表現するもよし、また、買い物に行く、何か食べに行くのも良し。他者に煩わされることなく自分で考えて行動することは結構楽しいものです。買い物や食事なら、当然、お店の人と言葉を交わします。それは孤独を楽しむ中の「箸休め」。
SNSを使っているつもりが、SNSに使われてしまっている人も多いのではないでしょうか。そして、知らず知らずのうちにストレスを溜めているのでは? SNSからのストレス・フリーのために、孤独を楽しんでみてはどうでしょうか。

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