東京・六本木エリアを代表する書店「青山ブックセンター六本木店」が6月25日、38年の歴史に幕を下ろし閉店するとの記事が5月9日の日経新聞朝刊に載っています。私が大学の頃オープンした書店で、六本木に出かけた時、何度か時間待ちで利用した覚えがあります。
この10年間で3割弱の書店が閉店し、全国で書店が1店もない自治体が2割に上るそうです。若者を中心に本を読まない「活字離れ」が止まらない他、稼ぎ頭の雑誌と漫画が海賊版サイトなどの影響で振わないためだといいます。
たしかに、電車の中で本を開いている人は極めて少なく、時に、1車両でほとんどの人が携帯を触っているという状況に出くわします。覗いてみるとLINEをしたりゲームをしたりしている人が多く、たまにニュースをチェックしている人もいます。
最近は喫茶を併設したり文具や雑貨売り場も加えたりと工夫を凝らした書店も増えましたが、書籍の売り上げは13年連続のマイナスです。もともと売上高営業利益率が1%未満と低い書店の減少は止まりそうにありません。
私は出かける時はほぼいつも文庫本を1冊持っていきます。電車の中、喫茶店やレストランで時間があれば読むためです。ウイークデイはビジネスバッグを持ちますから事足りますが、オフの時は、上着やズボンのポケットにはハンカチ以外は何も入れない主義なので、長財布、名刺入れ、キーケースとコイン入れメガネケースそして文庫本が全て収まるクラッチバッグが必需品です。私の要求を満たすクラッチバッグはなかなかありませんので、長年使い皮が擦り切れたバッグを手放せなかったのですが、先日ようやくこれに代わるバッグを見つけ購入することが出来ました。
私にとって読書は知識や情報の収集というだけではなく著者とのあるいは主人公との対話を楽しむという意味を持っています。書店を訪れるのは対話する相手を探す為です。「今回はどんな相手とどんな話をしようかな」と考えながら本を手に取ります。内容がマッチしていても文体が気に入らない場合は購入しません。あれこれ選んでいると直ぐに1時間ぐらい経ってしまいます。アマゾンで購入するのに比べると面倒なように思われるかもしれませんが、本屋を覘くことはその時々の話題や流行を知ることにも繋がりますし、私にとってはあれこれ手に取ってページをめくり気に入る本を選ぶ時間が一種の娯楽でもあります。これもまた、私流の孤独の楽しみ方の一つです。