好文木(校長ブログ)
2023.01.13
年賀状

 最近、高齢を理由に年賀状じまいのご挨拶をいただくケースが増えてきました。親しかった方やお世話になった方からご挨拶をいただくと、往時を懐かしく思い出すとともに、私もそれだけ齢を重ねてきたのだなと少し感傷的になります。
 最近はSNSの普及で年賀状は減っているだろうと思い、ちょっと調べてみました。2022年の発行枚数は16億4000万枚の予定だったそうです。ピーク時は2003年で44億6,000万枚。2010年からは毎年減り続け、2020年には19億4,000万枚にまで減少しています。ピーク時の半分以下です。
 虚礼廃止で年賀状をやめる企業も増えています。毎年,学校にも年賀状が届きます。名前を書かず肩書だけで送ってこられるものが結構あります。私は理事長と校長を兼任しているのですが、「学校長様」と「理事長様」と別々に送ってこられる学校もあり、たぶん全ての私学に機械的に送っておられるのだろうと思います。もう虚礼廃止でいいのにと、いつも思っています。
 年末のテレビのインタビューで「年賀状って何?」と言っている小学生がいたのにはさすがに驚きましたが、手書きの年賀状には温かみを感じると言っていた女子高生もいました。手書きには書き手を身近にイメージでき、ぐっと距離が縮まる効果があると思います。
 昔は年賀状の多さが人脈の広さの証と言われました。小説家の池波正太郎さんは正月から来年の年賀状を書き始め大量の年賀状を一年がかりで仕上げると、ある書物で読みました。こういう作家もいなくなったのじゃないかと思います。これからも年賀状は減っていくのだろうと思いますが、人情まで廃れないことを祈ります。
 7日の始業式に登校してきた生徒たちの何人かが「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」と挨拶をしてくれました。気持ちのこもった挨拶がとても嬉しく感じました。

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