朝、玄関を出るとき、随分明るくなってきたなと感じます。季節は着実に春に向かって進んでいます。厳冬のコロナ禍で不自由を強いられているだけに、暖かな春がひとしお待ち遠しく感じられます。
千船駅から久しぶりに、ある3年生の生徒と話をしながら登校しました。「久しぶりですね。1年の時はよく先生と一緒になりましたが、私が登校する時間がだんだん遅くなってあまり会わなくなりました。3年経つのはあっという間で早いですね。もうすぐ卒業です。私たちにとって高校はこの3年間で終わってしまいますが、学校には、4月からまた新しい生徒が入ってきます。先生は卒業生を贈るってどんな気持ちですか?」と彼女。
「よく話をしたり相談に乗ったりした生徒が卒業すると、やはり寂しいね。だから、時折、学校に戻ってきてくれるととても嬉しく感じるよ」と私。
1年生のころ、毎朝駅から一緒になり、部活動や友人関係の悩みを聞きながら、学校までの短い道のりを共にしたものです。彼女は今、大学受験の真最中です。滑り止めは合格しているそうで、明日が本命の試験です。「ちょっと難しい大学なので」と自信なさそうでした。合格を祈ります。
この1年を振り返ると、校長室に相談にくる生徒も校長ポストに手紙を入れる生徒もほとんどいませんでした。取り立てるほどの問題がないなら良いのですが、相談してもだめだろうなんて思われているとすれば、それは残念だなと思います。特に1年生は入学式からマスクでしたから、朝校門に立っていても顔をしっかりと確認できないまま今に至っています。お互い親近感がわきにくいのかなとも思います。
国内外の新型コロナ感染状況に照らすと、最低でもあと1年、場合によれば2年マスクが手放せない生活が続くと予測されます。そうすると、1年生は入学から卒業まで3年間マスクを外さぬままということにもなりかねません。フィジカルディスタンスとマスク、感染予防には必要ですが、良好なコミュニケーション構築には適しません。日常が戻ることを一日千秋の想いで待ち望むところです。