
外国に行くと、街中のあちこちで国旗をみることが多いのですが、日本では、式典以外の日常において国旗を掲揚したり、愛国心を高揚したりすることはほとんどありません。これは、あえて意識せずともよい平和な状態が保たれている証拠ではないかと思います。
第一次安倍政権で教育基本法が改正され、いわゆる愛国心条項が設けられて以降、愛国心や国旗掲揚などへの言及が増えてきました。そして今回、国旗損壊罪法案が与党多数の衆院を通過しました。国旗損壊罪については、以前から外国の国旗については刑法に規定があるのに日本国旗にないのはおかしいという意見はあったということですが、外交上の問題のあるなしで判断されてきました。そして現在に至るまで特に問題はなかったと理解しています。また、このところ日本国旗を損壊する事件が多発しているわけでもありません。従って、なぜ今、新たに規定を設ける必要があるのか疑問に思います。
私は日本に生まれ育ち日本が好きですし、シンプルなデザインの日の丸も国旗として良いと思っています。なかには異なる意見を持っている人もいると思いますが、全国民の意見が100%一致しているなどということはあり得ません。そもそも愛国心や国旗を大事に思う気持ちは自然の発露に任せるべきで強要するものではないと思います。
私は生徒に「愛校心を持とう」という話はしません。学校が楽しく居心地が良ければ、「この学校好きや」という気持ちが自然と湧いてくるはずです。そして象徴である制服もきれいに着てくれます。私は愛校心に訴えようとは思いません。その代わり「自由闊達で愉快な学園をみんなで作っていこう」と言っています。
愛国心や国旗掲揚を声高に叫ぶのは歴史的に見て平和な時代ではありません。近年、日本を取り巻く国際情勢は不安定化していますが、それは大国に専制的なリーダーが現れ、力による現状変更を求めているからです。そして格差が拡大するなかで世界的に国家主義的右派勢力が台頭しています。日本がそれにつられる必要はなく、逆により冷静になるべきだと思います。それが歴史に学ぶということではないでしょうか。







