好文木(校長ブログ)
2022.06.10
脱「第一ボタン!」

 「第一ボタンを留めなさい」という指導を止めていただくことにしました。理由はその必要性がなくなったからです。そもそもこの指導は、制服の着こなしが良くない生徒が多かった時代の名残でした。
 第一ボタンを留めてきちんとリボンやネクタイを締めているのがベストであることは言うまでもありません。今朝も玄関に立って生徒を迎えましたが、大半の生徒は第一ボタンを留めてリボンやネクタイを締めていました。第一ボタンを外して少しリボンを緩めに着けている生徒もいましたが、許容範囲ではないかと思いました。
 2019年10月28日の好文木で紹介しましたが、グッドデザインカンパニーの水野学氏は「数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力がセンスの良さというものだ」と述べています。服装などは正にこの領域です。水野氏はこうも言っています。「センスとは知識と経験の蓄積で磨かれるもので、先ず「普通」を知った上で「いいもの」や「悪いもの」がわかる。その両方を知った上で「一番真ん中」がわかる」と。
 高校生の服装として、第一ボタンを外して少しリボンを緩めている(紐が伸びてリボンの位置が下がり過ぎているのはだらしなく見えますが)のが「悪いもの」には入らないと思います。満員電車に揺られて暑い中をようやく学校にたどり着いたのに、校門での先生の第一声が「第一ボタン留めろ!」では、こちらの方がセンスが悪いと思います。16年前、私が本校に赴任してきたころと比べると、生徒は様変わりですから、これからはあまり細かい注意や指導をするのではなく、生徒の良識に期待し、生徒の自律を促したいと思います。

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