
今年は5月に真夏を思わせる高温になったかと思うと、一気に3月並みの気温に戻るアップダウンが激しい気候となりました。以前に比べ、春と秋が短くなり四季がなくなりつつある昨今、衣替えの時期も難しくなってきました。
生徒指導部が指針を出す前に、夏服を着だした生徒が出てきました。私は状況を見て適切に判断しているなと肯定的に捉えていました。一方でまだ夏服に着替えてはいけないと思っているのか暑いのにベストの上にジャケットを着ている生徒もいました。
教員はすでに半袖にノーネクタイなのに、玄関でリボンやネクタイをしていない生徒を呼び留めて貸し出し用のリボンを渡しており、違和感がありました。「もう夏服仕様でいいんじゃないの」と生徒指導部員に言ったのですが、何時からという方針が出ていないので困った様子でした。
教員が一々指示しなくとも、気温の変化や状況を見て主体的にセンス良く制服を着てくれればそれに越したことはないのですが、教員、生徒ともに一朝一夕にはいきません。「中間考査明けからにしようかと思うんですが」などと言うので、「もうとっくの昔に半袖着ている生徒も多いよ。なかには去年採用したポロシャツの生徒もいるよ」と私。
毎年毎年何時からにするかを決めるのでは時機を逸するので「基本、6月から9月は夏服、11月から4月は冬服。5月・10月は個々に合わせてどちらでも可」とするよう指示しました。夏場の暑い時はクールビズでリボン、ネクタイは着用しなくてもよいことは従来と変わりません。これも一応の目安で、個々に凸凹があってもよいと思っていますが、とかく教員は揃えたがるものです。入学式や卒業式は冬服でジャケットを着てリボンかネクタイをするスタイルで揃えるのが良いと思いますが、それ以外に揃える必要のある場面はないでしょう。
世の中ではクールビズ、ウォームビズが一般化してきました。IT企業は言うに及ばず百貨店でも売り場によっては堅苦しいスーツからカジュアルな服装に変えてきています。最もお堅い職業と言われる金融機関、都市銀行もノーネクタイが当たり前になっています。どんな場合でもだらしない服装はいただけませんが、TPOに合わせて適切な服装を心掛ければよいと思います。そしてTPOのレベルがよりカジュアルになってきています。
私学は建学の精神があり校則が厳しくても良いという考え方もあるようですが、少なくとも合理性のない意味のないことはやめるべきだと思います。「なぜそれが必要なのか」生徒も教員も考えることが大事です。考えないで決まりだからしょうがないと不承不承従うとするならば、主体性もセンスも磨かれません。