好文木(校長ブログ)
2023.01.07
令和4年度3学期始業式講話~うまく使った一日の後には~

 明けましておめでとうございます。今年はお天気にも恵まれ穏やかなお正月でした。みなさん楽しい休日を過ごすことが出来たでしょうか。
私はここ数年長期のお休みには長編小説や少し重たい本にチャレンジし気合を入れて読んでいましたが、楽しいものの結構疲れるので、今年は軽めの読書にとどめ、文芸春秋100周年記念号や塩野七海さんのエッセイ集を読んで過ごしました。
塩野七海さんは、イタリア、ローマ在住の歴史小説家でありエッセイストです。代表作には『ローマ人の物語』があります。第1巻を読み始めた時は、長い文章が読みづらく思えたものでしたが、読み進むにつれ人物に光を当てた壮大な歴史ロマンに魅了され全15巻を読破したのをきっかけに、塩野さんの作品はほとんどを読むようになりました。塩野さんの作品には、人としてあるいはリーダーとしてどうあるべきかを考えさせられる示唆に富むエピソードが満載で、それが大きな魅力となっています。
4年前2018年の3学期始業式においては、『ギリシャ人の物語』から、アレキサンダー大王の師であったアリストテレスの教えにつき言及しました。第一に先人たちの考えや行動に学ぶ、すなわち歴史に学ぶこと。第二に日々もたらされる情報を偏見なく冷静に受け止める姿勢を確立すること。そして第三には、第一、第二を踏まえたうえで、自分の頭で考えて判断し実行する能力を身に着けることです。この3つを私はアリストテレスの学びの3原則として紹介しました。
今日は今回読んだエッセイからレオナルド・ダヴィンチの次のような言葉を紹介します。「うまく使った一日の後には快い眠りが訪れるのに似て、うまく使った一生の後には安らかな死が訪れる」。現在85歳になった塩野さんとまだ若いみなさんとでは、この言葉に対する感慨には違いがあると思います。しかし「ローマは一日にしてならず」と言います。一日一日の積み重ねが一生につながります。みなさんは毎日、快い眠りにつくことができていますか。今年は、寝る前に今日一日を本当にうまく使ったといえるかどうか振り返るのを習慣にしてみるのも良いかもしれません。それはみなさん一人一人のローマへの道しるべとなることでしょう。
今年一年のみなさんの健康と幸せを願いつつ年頭の、3学期始業式の挨拶といたします。
今年もどうぞよろしくお願いします。

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