好文木(校長ブログ)
2026.06.08
地球最悪の害獣

 福島県で街中に出没し、工場に立てこもり、その後逃走したクマが話題になっています。工場内では、水道の蛇口を開けて水を飲んだ形跡があったそうです。また、サッシ窓のカギを開けて、窓をスライドさせてそこから逃げたようで、知能の高いクマとみられています。昨年から日本各地でクマの出没が増え、死傷者も出ていることから、クマは害獣としてやむを得ず駆除されています。

 クマと人間の生活圏の境界が崩れている原因は気候変動によるえさ不足や開発による森林の減少など様々考えられます。しかしこれはみな元々人間の活動によることが遠因になっています。

 その人間、民族や宗教、思想の違いから戦争をします。これまた、他の動物では見られない現象です。野生動物の世界を、我々は弱肉強食の世界といいますが、彼らは生存のために、食うために行動しており、相手を殲滅し文明まで滅亡させようとはしません。

 「一人殺せば殺人者で、百万人殺せば英雄となる」、これは1947年のチャップリンの映画『殺人狂時代』での主人公の有名なセリフです。人間社会の矛盾を表しています。学校ではいじめはいけない、相手の気持ちを考えない言動は相手を傷つけることがあり、いじめは犯罪だと教えています。一方で、相手の事情に忖度せず戦争をはじめ、何百万という人々に塗炭の苦しみを与えていることは国際紛争という名で呼びます。同じ行為でも私人間と国家間では意味が変えられるとは何とも奇妙な話です。

 そして、戦争は温室ガスの大量排出、土壌・水質汚染により地球環境に悪影響を与えることは自明の理です。やはりどう考えても地球にとって、他の生物にとって、人間こそが最悪の害獣です。一連のクマ騒動に触れるたびにこの思いを強くします。

 また、気候変動は自然の猛威を連れてきました。「かつてない」とか「史上最大の」という冠が付く被害をもたらしています。いかに科学技術が進歩しようとも自然を征服することはできません。

 今更、電気もガスもない生活に戻るわけにはいきません。しかし、自然に対する謙虚さを忘れず、地球環境への負荷の低減に取り組まねばならないと思います。

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