好文木(校長ブログ)
2020.09.02
総裁選に思う

 9月に入ったにもかかわらず相変わらずの厳しい残暑が続いています。そのうえ9号、10号と大型台風が発生し日本列島に近づいています。散々な夏です。
 ここ数日は突然の雷雨に見舞われていますが、すっかり黄色くなりかけていたグラウンドの芝生にとっては干天の慈雨となっています。昨日の放課後は、暑さに耐えかねた生徒たちが体操服でグラウンドに出てスコールを楽しんでいました。これからの日本の夏は亜熱帯化を前提に過ごし方を考えねばならないと思います。
 安倍総理が病気を理由に退陣を表明されました。古来より「人は棺桶の蓋が閉まってから評価が始まる」と言われます。政治家の評価も後の歴史が下すことになりますが、潰瘍性大腸炎という難病を抱えながら一国のトップとして、挫折にもめげず再登板され、史上最長の政権を保たれた精神力に敬意を表するとともに、健康のご回復をお祈りしたいと思います。
 次期総裁選びはどうやらあっけなく菅官房長官に決まりそうで、拍子抜けが致します。
学生の頃、政治評論家、戸川猪佐武氏の『小説吉田学校』をわくわくしながら読んだものです。それぞれの政治家の個性と行動様式が生き生きと描かれていました。
 吉田茂元首相の国葬が行われたのは、私が小学校の時でした。池田隼人氏・佐藤栄作氏など歴代首相をテレビで見て育ちました。高校の時に、田中角栄氏が首相になりました。三角大福(三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫)の権力闘争が繰り広げられ、政界『三国志』の様相を呈していました。総理は言うに及ばず主要閣僚の顔が見えました。良きにつけ悪しきにつけ存在感のある政治家が多かったように思います。太平洋戦争という国家存亡の危機を身をもって経験した世代の重みがあったのかもしれません。
 最近、『小説吉田学校』が『ゴルゴ13』のさいとうたかを氏の劇画版で書店に出ています。若者が読んでどのように感じるのか興味がわきます。いや、若者は読まないのかな。
政治に興味がある中高年が懐かしく読んでいるのかもしれません。

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